【炎帝】
幾つの時が過ぎただろう。
全てを燃やしても飽きたらず、いまだに衝動が抑えられない。
耐え難いこの恐ろしい力が身体を、心を、全てを侵食する。
災い振り撒くことだけが、自分に与えられた使命と知っている。
恐れられたあだ名は、忌むべき名となる。
別に気にする必要もない、必然とそう呼ばれるだろうと予測できていたことだから。
覆い尽くす灼熱を、如何にして放とう。
沸き上がる衝動を、如何にして広めよう。
燃え広がる炎の原。
焦がしい残骸を踏みしめて、荒野は赤さを増す。
全てを灰にし、全てを燃やし尽くす忌々しい炎は高々と唸りを上げる。
火焔に染まる夕暮れに、独り孤高と戦う。
炎帝と恐れし者。
大地を焦がす焔とならん。
*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*
《ジルベルト》
大学で考古学を学んでいた学生。
あまり目立つタイプではないが、知らない内にリーダー的な役割となっていることが多い。
炎を操る能力者たちの頂点に君臨し、全てを焼き付くす業火を操る。
炎帝という異名を持つ。
※【地球からの復讐】の続き。