【炎帝】


幾つの時が過ぎただろう。
全てを燃やしても飽きたらず、いまだに衝動が抑えられない。

耐え難いこの恐ろしい力が身体を、心を、全てを侵食する。


災い振り撒くことだけが、自分に与えられた使命と知っている。
恐れられたあだ名は、忌むべき名となる。

別に気にする必要もない、必然とそう呼ばれるだろうと予測できていたことだから。


覆い尽くす灼熱を、如何にして放とう。
沸き上がる衝動を、如何にして広めよう。


燃え広がる炎の原。
焦がしい残骸を踏みしめて、荒野は赤さを増す。

全てを灰にし、全てを燃やし尽くす忌々しい炎は高々と唸りを上げる。


火焔に染まる夕暮れに、独り孤高と戦う。


炎帝と恐れし者。
大地を焦がす焔とならん。


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《ジルベルト》
大学で考古学を学んでいた学生。
あまり目立つタイプではないが、知らない内にリーダー的な役割となっていることが多い。
炎を操る能力者たちの頂点に君臨し、全てを焼き付くす業火を操る。
炎帝という異名を持つ。


※【地球からの復讐】の続き。