【矛と旗を携えし者】


蝕まれた腕。
縛られた身体。
幾重にも貼り付けられた重石が身体を圧迫する。


多くのものを助けてきた。
皆が好きだから、この国が好きだから。
そんな思い出でいっぱいだった。


父の行いを恥はしない。
むしろ誇りに思っている。
民の為に働き、民を思って皇族という身分を捨てた父を。


私も父のようになろう。
父のように見聞を広め、多くを友に知らせよう。


この国が、より豊かになる為に。

この身を犠牲にしてでも。


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《劉焔》
元皇族の身分で、一族を見限った父を持つ。
一騎当千の文武両道の武将であり、多くのものから慕われている。
利き手である右腕に不治の病を患っている。