【雪姫】


また、冬がやってくる。
忌まわしい記憶と巡りを伴って。
いつまで縛り続けるのか、囚われ続けるのか、先が見えない。


冬の災禍。
その巡りを廻す役目にあるのだから、抗うことも放棄することも出来ない。
ただ役目に従っているだけ。
でも、心はその逆をひたすら望んでいる。


さぁ、白粉の子らよ。
大地をその潤いで一面を覆うがいい。
我らの季節が、また巡ってきた。
全てを無に返す白銀の世界に満たそうぞ。


訪れるものは全て無に。
生け贄を捧げるように、今年も冬が訪れる。


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《雪姫》

冬・雪を司る妖でもあり、神でもある。

忌まわしい過去を持つ元人間で、非常に人間嫌い。

役目とは裏腹に、縛りから解き放たれたいと思っている。