ある日、夫が見せてくれたビデオのお話です。



ヨーロッパかどこかの田舎の家のお庭のベンチに、初老の父親と


20代後半くらいの息子(二人とも西洋人)が腰をかけています。


父親の顔には深い皺が刻まれており、その目は遠くを見ている。


一方、息子はただただ新聞を広げて読んでいる。


二人は同じベンチに腰をかけているけど、決して話はしません。


しばらくして、すずめが一羽、チュンチュンと鳴きながら、ベンチの前に


現れます。それをじーっと見て、父親は「あれは、なんだ?」と


息子に質問するのです。息子はめんどくさそうに顔を上げて、


「すずめだよ」と答えると、またすぐに新聞に目を戻します。


すずめはそのまま、二人の前で遊んでいます。


しばらくの沈黙が続いて、父親が再び「あれは、なんだ?」と言うのです。


息子は、ちょっとイラっとしながら、「父さん、すずめだよ。さっき言ったろ」と。


父親はすずめを見たまま、表情を変えずに、また


「・・・あれは、なんだ?」


ムカっむかっときた息子は、新聞をたたんで、「何度も説明しただろ!


すずめだよ、父さん!見て、わからないのかプンプン!?」とまくし立てます。


父親はそんな息子をみて、少し悲しそうな目しょぼんをし、ベンチを立ち、どこかへ


行ってしまいます。息子は怒りながらも、(まったく、ボケ親父!といった表情で)


再び新聞を読み始めます。



しばらくして、父親が一冊のノートとともにベンチに戻ってきました。


それを息子に手渡して「読んでみなさい」と言うのです。


息子は、なんだこれ?という顔で、父親が指差すページを目で追うのですが


父親は「いいから、声に出して読んでみなさい」と言うのですね。


仕方なさそうに息子は読み始めます。


「・・・今日は、一番下の息子が3歳になった日だった。


家の庭のベンチに座っていると、すずめがやってきた。


息子が「あれ、なあに?」と聞くので、私は「すずめだよ」


と教えてやった。息子はその後も何度も「あれ、なあに?」と


すずめを指差して聞いてくる。合計21回も、聞いてきた。


しかし私はその度に息子を抱きしめながら、


「あれはね、すずめっていうんだよ」と教えてやった。


21回・・・しかし、私は息子の成長が心から嬉しかった」



これを読んで、息子は自分の小さかった頃、父親がどんなに自分を愛し、


育ててくれたのかと知ることになるのです。それに引き換え、自分の態度は


なんだというのだろう・・・息子は目に涙をためて、思わず父親を抱き寄せました。


父親は少しだけ微笑んで、二人はしばらくベンチにそのまま座っているのでした・・・




そこでビデオは終わります。



本当に本当に、素敵なストーリーで、私はこの話を明け方に思い出して


ひとりでベッドで涙ぐむほどでした。夫は「育児日記をつけて、娘が大きくなったら


読んでもらいたいね、」と言っていました。



子育ては簡単ではない、ということ。


何度も同じことを繰りかえし教えたり、時にはイラつくことだってある。


それでも、やっぱり親は子供を愛しているし、成長が嬉しい。


そろそろ産まれる私たちのベイビー。もうすでに、こんなに愛しい・・・!


そして、自分も幼い頃、なんだかんだいって、親に負担をかけながらも


ここまできたこと。全てのことに感謝したくなるのでした。







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