首都圏でラッシュの時間帯に
女性専用車が導入されたことを聞いてはいるが、
広島に住んでいる俺としてはあずかり知らぬことである。
しかし、実態を聞いたり、
ネットやアメブロ内の記述を読む限り、
果たしてこれは、本当にベストな選択肢で、
誰にとってベストなのかということを考えてみたところ、
いろいろと疑問が浮かび上がってきた。
この問題を語るとき、
女性論と男性論で取り扱われてしまう。
そういった性別に立脚したものではなく、
できるだけ客観的に考えるべきと思う。
これは性別にかかわらず、
すべての利用者にとって関係があることであり、
そのすべての利用者には可能な限り、
便利に通勤する権利があるからだ。
また、そうでなければ、男と女それぞれの
都合やエゴの押し付け合いになってしまうだけである。
実際、女性専用車が導入されて、
痴漢に遭わなくなったという意見よりも、
「専用車は混雑が緩和されているので楽に通勤・通学ができるようになった」
という女性の意見が多い。
痴漢に対する安全性よりも、
おそらく利便性のが重要視されている証拠ではなかろうか。
それから、メディアやネットで情報を目にする限り、
ほとんどの場合自分の性別からしか意見を表明せずに、
ときには乱暴な意見、
例えば、
「男性全体が痴漢予備軍だから男性が困ってもよい」
「これは男性差別だから許してはいけない問題だ」
このような意見が多く、枚挙に暇がない。
閑話休題、俺が使っていたのは東急線だったのだが、
ご存知の方も多いとは思うが、
東急線は首都圏の路線の中でも、
トップクラスの混雑率であるそうだ。
自分自身も東急線で通学していたわけだし、、
アルバイトでラッシュ時の乗客を押し込む仕事をしていたこともあり、
その混雑ぶりは殺人的である。
カーブで車体が傾いたときなど、
車内のカーブ内側からうめき声が聞こえてくるほどだ。
あるときは、乗客が多すぎてドアが閉まらず、
いつまで経っても電車が動けないという事態も頻発していた。
では本題に。
それでも仕事に行くために満員電車に乗り込まざるを得ないのだ。
混んでいる電車がイヤならば、
各駅停車に乗るなり時間差通勤をすればいいだけのこと。
満員電車を選択することによって発生するリスクなど、
早く通勤するためには大きなリスクではないということだ。
また、女性に対して主張したいことなのだが、
痴漢問題に関しても同じことが言えるのではないか。
乱暴な論理かもしれないが、
心から痴漢に遭いたくないと考えるならば、
満員電車を避けなさい、と俺は主張したい。
本当に痴漢されるのがイヤだというならば、
時間がかかってしまうことなど問題にならないであろう。
つまり、女性側も自己防衛をしていただきたいと思うのである。
また、今回の導入によって、
損をしているのはやはり男性側であろう。
女性専用車を一斉に導入してしまったために、
利用者はもちろん、鉄道会社にしても対応を強いられる。
そして、対応がうまくいっていないのか、
あるいは各車両における乗車率のバランスが崩れたのか、
友人の話だと電車の混雑度が上がってしまった、
ということである。
女性の場合は選択肢が増えたのでおそらくメリット方が多いが、
男性はこの制度の変更によって、
発生する多くのデメリットを引き受けているという構造でしかない。
これを考慮すると不公平なのは明らかである。
同じ料金を支払っているというのに、
制度変更によるデメリット多くは男性に、
強いられているからだ。
それから、これも言われていることだが、
女性専用車両に乗らない、または乗れない女性への、
痴漢被害に対する危惧がある。
痴漢をするような悪質な人間の標的になりやすくなってしまうのは、
容易に想像できることではないか。
さらに加えて、他の車両の混雑度が増して、
専用車両に乗る女性への痴漢被害が増えるのではないか。
ここで思い返していただきたいのは、
この制度変更の本義だ。
痴漢対策のために、女性専用車を導入したということである。
決して、女性の利便性や快適性の向上を狙ったものではないということである。
にも関わらず、上記の、
「専用車は混雑が緩和されているので楽に通勤・通学ができるようになった」
という意見が多いということと、
専用車両以外の女性に対する被害が増えるかもしれないという危惧から
本来の目的に対しての効果が発揮されていないのではないかと思う。
ただ、列車の混雑度が安定せず混乱を招く要因になるだけだ、
と言い切ってしまいたい。
それではまとめると、
①痴漢対策よりも利便性・快適性の方がニーズが多い
②デメリットの多くを引き受けるのは、男性側
③本来の目的が達成されるかは疑問
④痴漢被害がかえって増加する危惧
以上のような問題点を小生は指摘する。
結論
「女性専用車両一斉導入には問題がある」