陽があれば、陰もある。
泳げ！たいやきくん。
懐かしい歌。
最後まで歌ったら
悲しい歌。
子供のころ、そう思ってた。
大人になった今。
毎日毎日、鉄板の上で焼かれて嫌になって
店のおじさんと喧嘩して海へ逃げ込んだ
たいやきくんの気持ちがよくわかる
釣りあげられて食べられても
初めて泳いだ海の底は
とっても気持ち良かったはず。
ほんのわずかな時間でも
楽しかったなら、それで幸せだったんじゃないかなーって。
悲しいと感じたのは子供だったから。
今は、羨ましい。
毎日毎日、仕事に行くたびに 『早く帰ってこい』←５時が定時や
帰ってきてすぐなのに、『早く風呂に入れ』←夕飯の準備やっちゅうねん
楽しい夕食も早い時間からソワソワ寝るモード ←始まりが遅くても20時頃
金曜日になると『明日は休みか』
土曜日になると『明後日から仕事か』
日曜日の夜には『明日から仕事か、またいっちょかれる』←置いて行かれる(方言）
週末の自分時間をすごそうものなら
ブツブツ言い始め、『親置いて遊びでかけて、おいはとぜんなか』←私は淋しい(方言）
と、息子にめがけて言葉を浴びせる。
はぁ
毎日毎日、毎日毎日
話しかけないと、機嫌が悪くなり
相手しないと、機嫌がわるくなり
二階で用事をしていると、扉をバタン！と物にあたり
二階に聞こえるような大声でブツブツ文句を言う
いやいや
大人数で暮らしていたときも
みんな仕事で平日は誰もいなかったやろ。
今始まった事じゃない
二階でやらなきゃいけないこともある
ベッドのシーツ替えとか家計簿つけとか
すこし、長くなることもあるよ。
8時間仕事して１時間運転して、疲れて帰ってきて
話しかける間もなく夕食の支度をしてる私に
そんなに求めないでくれ
４週のうち毎週掃除、3週はあなた(義母）の相手を
しているんだから
１回2回くらい、気持ちよく遊びに行かせてくれよ
年寄りだから、耳聞こえん、目見えん、歩くのも杖いる。
下着だって汚れる。
わかるよ。わかるさ。
だけどさ
耳も大事なことを、大声で言っても聞こえないのに
小声で悪口てきな発言すると、聞こえてるし
目みえん、ゆーても
ご飯茶碗にはご飯つげるよね。
味噌汁も少しでいいからって言うけど
残ってるはずの味噌汁ないよね。
歩くのも杖だけど
シャカシャカ、山道上っていくよね。
義理姉さん、来た時だけ
腕掴んでもらって、歩けないふりするよね。
お風呂あなた(義母）がたまに最後でも、
下着は一度、手洗いしてから洗濯機にいれるんだよ。
寂しいのはわかるけどさ
世の中には、独り暮らしの老人って
たっくさん、いるんだよ。
あなた(義母）みたいに、子供たちと一緒にいれる
老人って、少ないんだよ。
毎日毎日、朝晩いるやん。
夕食の時、話かけてるやん。
もっと、夕食楽しもうよ。
バタバタしてて、私が可哀想って言うんだったら
もっと楽しく過ごさせてよ。
終わりがわかっているなら我慢するけどね。
わからないから、同時進行で楽しむしかない。
たいやきくん。
塩水ばかりでふやけたって
見知らぬおじさんは、美味しかったはずだよ。
私も最期は美味しくありたい。
