動画用に作ったテキストです。
動画内では、多少変更してたりします。
モチベーション上げるために反応あったらうれしーな~(チラッ
これからは、テキストの方もあげていこうかと思います。
そういえば、直接的な表現はないけど百合…かなぁ?これ
765プロに入社して一週間…、ついにこの時が来たんだわ!
社長のいる会議室に呼ばれ、入室し目の前に立つ。
「さて、君が我が765プロに来て一週間、そろそろ君にもしっかりと働いてもらおうと思うんだが…」
心の中でガッツポーズする。ついに私もプロデューサーに!
「君にプロデュースしてもらいたいアイドル候補生は、この娘だ!」
・・・
「あ、あの頑張ってくださいね」
音無さんが、微妙な笑顔でエールを送ってくれた。
内心でため息をつく、なにせ任せれたアイドルは…
星井美希
どう考えても私とは、相性がいいとは思えない。
全てにおいて反発するのは目に見えている気がする…
彼女が嫌いとかではなく、物の見方考え方が、私とは途方もなくズレいるんだと思う。
星井美希…765プロ最後のアイドル候補生、事務所に遅れて入ったことから他のアイドル達よりもプロデューサと信頼関係を築きにくかったと思われる。
元の自由奔放な性格から、どんどんやる気をなくし、今では事務所に来てはソファーで寝てすごす日々だ。
それに、社長やら音無さんが、とにかく甘やかしている…。
「ハァ…」
ため息をついてから、ソファーで寝ている星井美希に近づく。
寝顔だけでも、売れるんじゃないかしら?そんなことを考えつつ、彼女の側に腰掛ける。
彼女の頭を軽く小突いて起こしてみる。方目を開けて恨めしそうににらむ彼女に、自分の脚を叩いてみせる。
私の意図を理解して、体をずらして太ももの上に頭を乗せる、そして満足げにまた目を閉じた…。
退屈なので、彼女の髪を手で梳いてみる、染めているらしいが痛んでる様子はなくさらさらと落ちていく。
まるで金糸のようだ…
しばらくして、美希がもぞもぞと動き出す。
「目が覚めた?」
「うん」
そう言いつつも、起き上がろうとはしない。
「お姉さん、誰?」
おい、一週間前に自己紹介しただろ…とは、突っ込まずに名乗る
「秋月律子よ。貴女をプロデュースすることになったわ。」
「ふ~ん」
興味がないのか、聞き流してる。
「ねぇ」
「うん?」
「もっと、なでなでして」
音無さんの言う通り、膝枕で頭を撫でられるのが彼女のお好みらしい。
彼女が満足するまでそうしていると、ようやく体を起こした。
「え~と、ミキを律子がプロデュースしてくれるの?」
「ええ、そうよ。よろしくね」
「えへへ。ミキ、律子のこと気に入ったよ。ヨロシクね!」
うむ、素直なことで…下手に出て正解のようね。
まぁ、しばらくは彼女のペースに合わせておきましょうか。
「でねでね、あの子ってば、ほんっとガミガミうるさいんだよー」
だいぶ打ち解けたせいか、いろいろな話をしてくれるようになった。
どうやら、おしゃべりが好きらしい。意味のないことあること思いついたままに話す、本当に楽しそうに。
「でも、意外だったな~。律子も口うるさいかと思ってたよ。」
あぁ、確かに何度も注意したい衝動に駆られたが、思いとどまっていた。
でも、そろそろ頃合よね!
「そうね、美希も大分懐いてくれたし、そろそろ言うべきことは言わせて貰おうかしら。」
「へ?」
「まずは、律子”さん”よ」
「律子なに言ってるの?」
「律子”さん”」
「…り…つ……こ」
「律子”さん”だぁー!」
「ひどいのミキのことあんなに可愛がってくれてたのに…」
「あらぁ、これからも、いっぱいいっぱい可愛がってあげるつもりよ。美希ちゃん」
「うぅ、律子…さんに、裏切られたの……」
とは言うものの、しっかり言うことは聞いてくれる。
しっかりと信頼関係が築けていて私は安心していた……
ふふふ~ん、ふふ、ふふ~ん
あっちへフラフラこっちへフラフラしながら、鼻歌を歌っている
「コラ美希、フラフラしないで、危ないでしょ」
アイドルランクも順調にアップしてるし、新しい新曲もできたしで浮かれるのはわかるけど…
「だってぇ、今度のは律子…さんの作ってくれた曲でしょ。すんごく楽しみなの!」
そんなに喜ばれると恥ずかしい
「律子って、ほんとスゴイの!歌も作れるしダンスもイケてるし!」
「あんたに覚えさせるのは、実際に見せたほうが早いからね…」
「えへへ~、美希もっと知ってるよ。律子が美人さんだってことも」
「なっ!?」
「こないだのダンスレッスンの後のシャワールームで~」
「ちょっ、やめっていうか、見てたの!?」
「あはっ、ガン見しちゃった~。ボインッ・スー・ボーン!」
オイ、アイドル…
「ほんと止めてよ…」
頭を抱える、美人と言われて嬉しいけど…
「あっ、ネコさん!」
「…ん?」
ちょっと目を放した隙に、美希は道路の真ん中にいる猫のところに歩み寄っていた…
悪寒が走る
美希が猫を抱え上げると同時に、こちらを向いてのん気に「ほら~、律子。ネコさんだよ~」なんて…
その姿を鮮やかに映し出すように車のライトが当たる、流石は美希どんな状況でも綺麗ね。
そんなことを考えながら、体は自然にとるべき行動を行っていた…
「…う、ん?」
また寝てたのね…、あれから何度も浅い眠りを繰り返している。
意識が戻ったのは、1週間前、事故から3日後の事。最近は来客もなく退屈な日々を過ごしている。
目が覚めてから、色々あったが、みんなが気を使ってか静かな時間だけが過ぎている。
トントン
「はい、どうぞ」
声を控えて入室を促すと、小鳥さんが顔をのぞかせた。
「いらっしゃい小鳥さん、でも事務所の方はいいんですか?」
「うん、平気…よ」
気を使わせるとは思うが、他に言いようもなく会話が滞る。
「あの律子さん…えーと」
「美希ですか?」
どうやら、私は美希を助ける事に成功したらしいかった…けど
「あ、えぇと…その」
まったく、嘘のつけない人なんだから正直に話せばいいのに…
「美希、事務所に来てないんでしょ?」
「うっ」
アイドルとしてそこそこ売れてきたし、事故の前にとっていた仕事もあったはずだ。
「まったくあの娘は…」
まだ一度も見舞いにも来てくれない…できれば彼女の無事な姿を見せてほしいのだけど
「さ、さすがにこれ以上仕事に穴を開けると…事務所の方でも……」
一度ため息をついて、気持ちを落ち着かせる。
「美希に連絡してください。私が話をします。」
「で、でも…」
「私は、星井美希のプロデューサーです。彼女に言わなければならないことがあるんです。」
「…はい」
小鳥さんが携帯を渡してくれる
「もしもし、美希?」
「…律子…さん……」
「久しぶりね、声が聞けて嬉しいわ」
「…ッ…」
「できれば、貴女の顔が見たいわ」
「…で、でもっ」
「貴女に会いたいの、それだけ」
久しぶりにあった美希は、やっぱり美しかった…私のせいでこんなにやつれていたのだと考えると胸に甘いものがこみ上げる
「顔見せて」
必死にそらしていた顔を恐る恐るこちらに向ける。
「よかったわ、貴女が無事で…」
嘘偽りのない気持ちで、彼女を引き寄せ抱きしめる
「…ッ、なんでっ、律子、ミキのせいで足ッ……」
「美希…」
名前を読んだだけで、体を強張らせる
安心させるように頭を撫でながら話す。
「私は、私の夢を守っただけ…よ」
確かに、美希があんなことをしなければ、私もこんな怪我することもなかった。
でもだからと言って、美希を責めるつもりにはならない。
「…夢?」
「ええ、掛け替えのない…ね」
私の言葉の意味を理解できずに、視線で訴えてくる。
一度大きく息を吐き出して、話し始める。私の夢の話を……
「私が一番初めに持った夢は、”アイドルになること”だった…。まぁ、昔から現実的な見方をする方だったし、すぐに自分の容姿じゃ無理だって気付いたけどね」
自嘲的に笑いながら話す。美希は黙って聞いているだけ。
「それでも、アイドルの近くにいたい…そう思って、アイドルに係わるの仕事に就きたいと思ったのが、2番目」
「高校卒業するくらいかな、プロデューサーってアイドルを育てる仕事があるって知ったのは」
「それで、プロデューサーになって、アイドルをトップアイドルに育てたいって思ったのが3番目の夢」
「そして、貴女に逢った…」
「…ミキ?」
「そうよ。貴女に逢って一目で、貴女に惹かれたわ。私の思い描いたアイドルそのものだったんだもの」
「…ミキ……そんなん…じゃ……ない、よ」
「私にとっては、そう、よ」
周りの目を惹くほど綺麗で。我侭でちょっとお馬鹿で、でも許せるくらい可愛くて。誰より輝く光を持ってる。
まぁ、美希の難点は、やる気がなくなってたことだけど…それだって、最近は随分とよくなった。
「だからね、貴女をトップアイドルにする…それが私の今の夢。私が守った夢」
「・・・・・・」
「まぁ、完全無欠のヒーローじゃないし、私にはこの辺がいいとこでしょ」
「りつ…こぉ」
「それにね。私まだ、諦めるつもりはないんだからね」
「…えっ?」
「貴女をトップアイドルにするっていう夢」
確かに、色々不便になるだろう。でも、プロデュースするならこの身体でも…周りにも迷惑かけるだろうけど、それでも…
「…諦めないわ」
思わず、最後の言葉が口から出てしまった。少しばかり語気が強かったのか美希が目を見張って見つめてくる。
「…なんで?なんで、そんなにミキのコト…
……キライにならないの?」
……この娘…嫌われるかどうかで、思い悩んでたとか…ないわよね?まさか
「嫌いに?なるわけないでしょ」
「貴女に私の全てを懸けてもいいって思ってる、それぐらいの”夢”なのよ」
「律子の全部?」
「ええ」
だから……なんて、考えてはいけないことだと思う、けど
「美希、貴女は…。貴女も懸けてくれない?私の夢に…全てを」
「…ミキのぜんぶ?」
「ええ、私のためにアイドルを続けて…いえ、続けなさい。」
最低ね。自分の為にアイドルでいることを強要するなんて……でも、美希なら…
「…アイドル続けたら、律子はずっとミキと一緒にいてくれる、の?キライにならない?」
徐々に目に光が戻ってくる。
「そうね…。貴女がアイドルを辞めるときまで、貴女が私をいらないって言うまでずっと側にいるわ」
「!!」
抱きしめていた体が離れて、私の顔を覗き込んでくる
「ミキやるっ、アイドルちゃんとする!」
「だから…ずっと、ずっと一緒だよ?」
「ええ、約束するわ」
それから、美希はキョロキョロと辺りを見渡す
目当てのものを見つけたのか、その場に寄って持ち上げる。そのまま、躊躇いもせずに…
ジャキッ!ジャキ!
「・・・・・・」
満足げに顔を上げる。これが美希の覚悟なのだろう。
「律子…ミキがんばるね!」
「えぇ、私も早く一緒に活動できるよう頑張るわ」
「…美希、小鳥さんに美容院に連れて行ってもらいなさい。・・・・・・あと、”さん”を付けなさい」
「ぶー。分かったの。律子…さん」
相変わらずのやり取りが自然とできて、思わず笑い合う。
「律子さん、ミキ待ってるからね」
そう言って、病室を出て行く。
ベッドの上に落ちた髪を拾い集めて、鼻先に持っていく。
美希の香りがして、思わず胸が熱くなってくる。
「・・・・・・美希」
小さく声を漏らしたところで、呆れ声をかけられる。
「…危ない人みたいよ、それ」
「伊織…ノックぐらいしなさいよ」
「あぁ、それは悪かったわね」
口ぶりは普通に感じたが、目が泳いでいる。
「一応、見舞いには来させないよう言ってたはずだけど?」
「別にあんたの見舞いに来たわけじゃないわ」
あぁ、なるほど、美希の方…ね。まぁ、私の事もまったく気にしてないって事はないんだろうけど…。
「・・・・・本気」
「ん?」
「本気でプロデューサー続ける気?」
なに、盗み聞きまでしてたの?
「ええ、当然」
伊織の目を見つめて、即答する。
「その足で?まともにできるとは思えないけど」
「やるわ」
周りに迷惑かけるのも百も承知だ、でも決して諦められない。
「・・・・・・」
無言で見つめ合っていたが、伊織が折れたようにため息をつきながら話し出す。
「…やれやれ、ね」
「あの娘の覚悟、見たでしょ?私も負けてられないわ」
「これだけの目にあって、よくやるわ…」
「そう?案外、今回のこと満足してるのよ?」
伊織が気が知れないという眼差しを向けてくる。
「だって、命まで賭けれる夢を持てたことに、誇りを感じられるわ」
「…本当にやれやれ、だわ」
呆れた伊織に笑いかける
「分かったわ、私も私にできることさせてもらうわ」
「伊織?」
「知り合いに、あんたの足…なんとかしてもらえるかもしれないわ」
「なんとかって?義足も考えてるけど、結構不便らしいし…」
「自然に振舞える程度には使えるみたいよ」
「まさか、お医者さんからそんな話聞いてないわよ?」
「そりゃそうよ。まだ、一般的なものじゃないし」
なるほど。その辺を含めて、”かもしれない”…ね。
「いくらかかるかも分かんないし、そもそもそれを使わせてくれるかも…」
ふぅん。ツテはあるけど……あとは、交渉次第ってとこかしらね。
「伊織…お願いするわ」
「考えるまでもないってわけ…」
「ふっ」
「分かったわ、連絡は付けておく」
「あ、交渉は私にさせなさいよ」
「…はいはい」
「ありがとう…。伊織」
「なっ、なによッ!別にあんたの為じゃないわ!…美希、そ、そう!あのゆとりがあんなんだと張り合いがないから、…それだけよッ!」
はいはい、ツンデレ乙
「いやぁ、残念だなぁ。秋月君は優秀だから、是非このままウチで働いてもらいたかったんだが」
「我侭ばかりで申し訳ありません」
「いやいや、君にはりっぱな夢がある、それに向かって頑張ってください」
「はい。お世話になりました。ありがとうございます」
お互い迎えが来たので、礼をして分かれる。
「美希、また染めたのね。似合ってるわ、新しい髪形も」
「ありがと、こっちの色のほうが好きでしょ?律子は」
「まぁ…ね。・・・・・・ただいま美希」
「おかえりなさい。律子さん」
思わず抱きつきたかったが、人前なので我慢した…。美希が抱きついてこなかった事が以外だったけど…
「そういえば、Aランク入りおめでとう。頑張ったわね」
「うん」
そういうリアクションで返されると困るわね。
「……もう、私なしでも十分じゃない?」
思わず、弱気になってしまう。
私たちの間の空気が、一瞬で冷え込む。
「本気で言ってる?」
この娘、こんなに迫力のある眼もできるようになったのね…頼もしさすら感じる。
だから、いっそう自分がいる必要がないのではないかと思えてくる。
・・・・・・それにしても綺麗ね
「律子?」
怒気を込めた声で名前を呼ばれて、身が竦む思いがする。
「ミキ、まだ1番になってないよ?たった一つの星に。・・・・・・律子が一緒にしてくれるんでしょう?」
その言葉を聞いて、離れていた間のことを思い出す。
そう、私だって、美希に負けないほどの努力をしてきた。
「弱気になってごめんなさい。美希があんまり素敵だったから…ついね」
「約束だものね、私の夢…」
「ミキ”た・ち”の夢!」
思わず苦笑する
「ええ、私たちの夢。あと一歩二人で頑張りましょう。美希」
「うん!それから、ず~~~っと一緒だよ!」