柴崎友香という作家に初めて出会ったのは
多分もう5、6年前になると思う
その時、たった一冊を手にとって
よくわからないまま何となく読んで
今になってまたその文体の端々を思い出した
内容はといえばあまり覚えていないのが正直なところで
ただひたすらふわふわと漂うような感覚と
登場人物がやたら生で瑞々しかったことと
関西弁のやさしい響きがすきだったということばかり覚えている
浴びるように読む本
だと思った
例えるのであれば
1日仕事で疲れて帰ってきて
ゆっくり風呂に浸かって
最後の仕上げに染み込ませる化粧水のような
たっぷり手にとって
自分をいたわるように
栄養をとりこむように
いわゆるとっておきというやつ
話が、というより
文章が
そんな本
きょうのできごと/柴崎友香