🔍 なぜ足関節捻挫は“治ったつもり”が危険なのか?
足関節捻挫は、ジャンプや切り返し動作によって外反ストレスが急激に加わることで発生します。特に前距腓靭帯(ATFL)の損傷が多く、そのまま放置されると**慢性的な足関節不安定症(CAI)**へと進行します。
✅ 男子大学選手では、足関節捻挫の既往率100%、CAIの有病率は8.2%
出典:日本臨床スポーツ医学会誌 Vol.30 No.3, 2020, pp.724–731
🧠【1】解剖学的理解:ターゲットは“前距腓靭帯”だけではない!
足関節外側の靭帯群(前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯)は、動作時の安定性を担っています。
特に捻挫によって障害されやすい**ATFL(前距腓靭帯)**は、底屈+内反位で最も緊張し、これが典型的な受傷肢位です。
さらに見落とされがちなのが、距腿関節だけでなく距骨下関節(後足部)や中足部の協調性の破綻。
このズレは、再発リスクを劇的に高めます。
🔬【2】評価学:可動性・筋機能・感覚統合を見抜け
足関節捻挫の再発予防に必要なのは、**“痛みの評価”ではなく、“動作の評価”**です。
以下の項目をチェックリスト化して実施しましょう:
✅ 機能評価項目
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距骨下関節の可動域(反回外 vs 回内)
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片脚立位のバランス保持時間(30秒未満は要注意)
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Yバランステスト(非対称性 ±4cm以上はリスク)
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前脛骨筋・長腓骨筋の左右差筋力テスト
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ジャンプ着地時の膝・足関節アライメント評価
💪【3】リハビリテーション:段階的再構築がカギ
捻挫直後のRICE処置を終えた後は、「再発しない身体の再構築」がリハビリのテーマになります。
【STEP 1】急性期
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浮腫軽減(リムービングアイシング+挙上)
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徒手による距骨モビリゼーション
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前脛骨筋、腓骨筋のアイソメトリック収縮
【STEP 2】回復初期
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セラバンドによる足関節インバージョン・エバージョントレーニング
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片脚立位での荷重練習(クッション・バランスパッド上)
【STEP 3】回復後期
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ジャンプ着地 → スタビリティ評価
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カッティング+ストップ動作への段階的復帰
🏋️♂️【4】トレーニング:再発ゼロの「予防的ルーティン」
多くの再発は、競技復帰後の筋機能・反応速度の未回復によって引き起こされます。
推奨ルーティン例(週2〜3回)
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ラダートレーニング(5分)
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サイドランジ → 内反抑制筋群の強化
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ダイナミックYバランス(3方向)
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シングルレッグ・トランポリンジャンプ(着地評価含む)
👟【5】靴選びとインソール:足元からの再発予防
再発リスクを根本から抑えるには、“シューズ選び”と“インソール設計”の見直しが必要です。
✅ シューズ選びのポイント
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ヒールカウンターが深く、足関節をしっかりホールド
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アウトソールのグリップが高すぎない(引っかかりで転倒リスク増)
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つま先の捻れ耐性(トーションコントロール)が強いモデル
✅ カスタムインソールの導入メリット
🔹 出典:川口 智久.「テニス選手における靴の機能と足部障害の関係性」
臨床スポーツ医学 Vol.35 No.12, 2018, pp.1287–1291
参考文献・引用一覧(抜粋)
三谷 玄弥. 「足関節捻挫の病態と予防」. 日本臨床スポーツ医学会誌, Vol.30 No.3, 2020, pp.724–731
川口 智久. 「テニス選手における靴の機能と足部障害の関係性」. 臨床スポーツ医学, Vol.35 No.12, 2018, pp.1287–1291






