昨夜は私どもの邦楽器から切っても切り離せない絹糸のお話を製造元の代表取締役の方が来道されてスライドを使い講演してくださいました。

こちらで作っている糸(私も愛用しております)は滋賀県木本町で、最高級の蚕糸を使い、昔ながらの工法を継承しているそうです。この地域で作られる生糸は大変澄んでいてきれいと評判の賤ヶ岳の雪解水を使い、桑の新芽を食べて育った蚕による春繭だけを用い、和楽器のために作っているそうです。

繭を80度ものお湯に入れて、女性がそこから素手で繭の糸を引くのです。男性にはとても出来ない仕事だそうです。ニコニコそのことに大変プライドを持って、伝統芸を存続させるために頑張ってくださっているそうです。(感謝)

三弦の三の糸は600本の糸から出来ていることを聞いたときは大変驚きました。そして最終的に1本1本が袋詰めにされるまでの全て手作業の工程を聞くと、1本でも出来るだけ無駄に切らないように使わないといけないと痛感いたしました。

三の糸のこんなに細い糸でさえ600本も撚っているので、音が響くのだそうです。西洋の楽器は殆どがスチール絃です。和楽器、特に三弦はやはり絹の糸でなければ楽器本来の音は出ません。太さが0.1ミリ違ってもそれをずっと使い続けた人には違いが判るそうです。

貴重なお話をお聞きすることが出来て邦楽器店の方々に感謝いたします。ありがとうございました。