目上の人物に認められたとき「お目にかなって光栄です」といった言い方をする人がいます。
この「お目にかなう」という言葉は誤用なのですが、正しい言い方が分かりますか?
正解は「お眼鏡にかなう」です。
先の例では「お眼鏡にかなって光栄です」と言うのが正しいのですね。
「お眼鏡にかなう」とは、目上の人から気に入られたり、実力を認められたりすることを指す言葉です。
いくつかの品物の中からお客が気に入ったものを選んだ際に「お眼鏡にかなった品」と表現されることがありますが、本来は人に対して使う言葉ですので、厳密には間違いといえます。
では、なぜ「お目にかなう」という誤用が広まっているのでしょうか。
「お眼鏡にかなう」とよく似た表現に「お目にかかる」「お目にかける」があります。
目上の人物に会う貴重な機会を得たという意味で使うのが「お目にかかる」、
目上の人物に見てもらうことができたという意味で使うのが「お目にかける」です。
つまり、「お目にかかる」「お目にかける」は、どちらも「会う」「見る」という事実のみを表しています。
会ったり見たりした結果、その相手や品物を目上の人物が気に入るかどうかまでは考慮していません。
ところが、やっかいなことに「お目」と「お眼鏡」はよく似ていますし、
「かなう」と「かかる」「かける」もうっかりすると聞き間違えてしまいそうな言葉です。
その結果、「お眼鏡にかなう」と言うべきところを「お目にかなう」と言い間違える人が増えていったと考えられます。
まとめると、
- 目上の人物に認められる→お眼鏡にかなう
- 目上の人物に会う→お目にかかる
- 目上の人物に見てもらう→お目にかける
と使い分けましょう。