結婚式はめでたい行事です。
同時に、夫婦となる二人のための厳粛な式であり、決して軽々しいものではありません。
そのような意味を込めて「結婚式がしめやかに挙行された」と表現した文章を見かけることがあります。
この使い方、実は不適切なのですが、なぜ良くないのか分かるでしょうか?
「しめやかに」という言葉は形容動詞「しめやかだ」の連用形です。
「静かにひっそりと」「悲しげに」といった意味があります。
「悲しげに」という意味が含まれていることがポイントで、沈痛な空気で行われることを指します。
よって、本来の使い方としては「葬儀がしめやかに営まれた」などが適切なのです。
結婚式はお祝いをするための行事であって、決して「沈痛」なものではありませんので、「しめやか」は適さないのですね。
他にも、入学式などお祝いのための式典であると同時に、厳粛な雰囲気で執り行われるものがあります。
このような厳粛な式典の雰囲気を伝える場合は、「おごそかな」といった言葉を使いましょう。
「おそごか」は「厳か」と書き、重々しくいかめしい様子や、礼儀正しく近寄りにくい様子を表す言葉です。
式典などの重厚な雰囲気を伝える場合に適しています。
似た意味を表す言葉に「粛々(しゅくしゅく)」があります。
「静かでおごそかな様子」を表す言葉ですので、「入学式が粛々と挙行された」といった使い方をしても問題ありません。
「仕事を粛々と進める」と言うと、「仕事を淡々と進める」と同じような意味で捉えられがちです。
しかし、実際にはニュアンスの違いがあります。
「粛々」も「淡々」も「静かな様子」という意味は含まれていますが、「粛々」には「厳粛さ」も含まれています。
よって、「粛々」は一般的に重大な物事について用いられます。
「話し方が単調」という意味で「淡々とした口調」と言うことはできますが、「粛々とした口調」とは言わないのですね。
今日のまとめとして、
- 「しめやか」には「悲しげに」という意味も含まれている→通夜や葬式に用いる
- 「おごそか」は厳粛な雰囲気全般に使える
- 「粛々」も「おごそか」の類義語
- 「粛々」と「淡々」は意味が異なる
これらをまとめて覚えておくと、混乱を避けられそうですね。