伝わる・喜ばれる文章講座

伝わる・喜ばれる文章講座

どうすれば人に伝わって喜んでもらえる文章が書けるようになるのか?Webライターが文章のコツを書いていきます。

「一世一代の大勝負」のような表現で、「一世一代」をどのように読んでいますか?

 

1.いっせいいちだい

2.いっせいちだい

 

「1」のように読んでいる人は、比較的多いように思います。

実は、これは誤りです。

 

正解は「2」の読み方なのです。

 

「一世一代」とは、一生に一度のことを指します。

役者などが引退前に仕事納めとして演じる晴れの舞台という意味もあるように、とくに晴れがましい場面において使われる言葉です。

 

「いっせいいちだい」という誤った読み方をされてしまう理由として、2つほど考えられます。

 

1つめの理由は、「一世」には「いっせい」という読み方も存在することが挙げられます。

「ナポレオン一世」のように「初代」という意味で使う場合には「いっせい」と読みます。

 

これに対して、「一生涯」という意味で使う場合には「いっせ」と読みます。

 

「一世一代」は「一生に一度」という意味でしたから、「初代」ではなく「一生涯」が正しいのですね。

 

2つめの理由として、「いっせ」と「いちだい」がつながって聞こえることが挙げられます。

「いっせ」「いちだい」なのか、「いっせい」「ちだい」なのか、音の切れ目が分かりにくい場合があります。

 

「いっせい」には「一世」のほかにも「一斉」など別の意味の言葉がありますので、「いっせい」のほうが馴染みがある・言いやすいという面もあるのでしょう。

 

こうした理由から、「いっせいいちだい」という読み方をするケースが出てきたと考えられます。

 

しかし、一世一代を「いっせいいちだい」と読むことはありません。

読み方は「いっせいちだい」以外にないのです。

 

会話の場面や文章を読み上げる際には、読み間違えることのないように注意しましょう。