Science Translational Medicineに男性不妊の画期的画検査法が | 医薬翻訳のアスカコーポレーション 社長ブログ

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大阪北浜、東京田町にオフィスを持つ医薬・バイオ分野の語学サービス会社 アスカコーポレーション社長 石岡映子のブログ。

Science Translational  Medicine (TSM) 3月22日号に面白い記事が載っている。男性の不妊をスマートフォンで検査できるという論文だ。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院とマサチューセッツ総合病院の研究グループが、スマートフォンを用いた不妊を検査する自動精液分析器を開発したという。この分析器を操作すれば、ほとんどの精液検体を5秒未満で処理できるというのだ。

 

男性不妊は不妊の約40%に関わっていると推定されており、世界中の4500万以上のカップルに役立つリソースとなりうる、と。既存の臨床プロトコールでは、高価で専門的な機器を操作するために高度の訓練を受けた技術者が必要であり、結果を得るのに時間やコストがかかる。Fertilexと名付けたこのプラットフォームは、材料費の総額が4.45ドルで、今回のシステムを使えば安価な代替法となる。

 

Fertilexは使い方が非常に簡単で、正式な訓練を受けていないボランティア10名(ボストン不妊クリニックから募集した事務補佐員含む)が、100個以上の精液検体を正しく分類できたという。また、精子濃度や運動性が低いという異常を95%の精度で検出できた。

 

私が不妊治療を始めた頃は、検査だけで30万円、夫婦カウンセリングに2万円という、悪徳の時代だった。肩身の狭い思いをしながら、デリカシーもなく、言われるがままに従うしか。そんなことを考えると医療技術の進歩は目覚ましい。

 

こんな論文を選ぶSTMのエディターチームもニクイ。

http://stm.sciencemag.org/lookup/doi/10.1126/scitranslmed.aai7863