鈴木翔太のブログ

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その日、俺は夢を見た

今思い出すと曖昧な点が多々あるが
何をしてたかははっきり覚えてる

小綺麗なリビング
ソファーでテレビに熱中する俺
キッチンには忙しなく料理を作る女性
包丁の音がリズミカルに奏でる

香ばしい匂いとともに食事の一時がやってきた
俺とその女性の薬指にはシルバーのリング
俺はこの女性と結婚ているらしい
何と言っていいかわからないが、心が癒されている

その女性が
「今日は報告があります…
家族が一人増えます」
その言葉で俺は子供のように喜び飛び跳ねた


そこで目が覚めた

もう少し見ていたくて
残念な気持ちで体を起こした

「それにしても、あの女性は誰なんだろう」

顔の部分は白く靄がかかったような
誰なのか判断できなかった

だけど、知ってるような知らないような不思議な感覚だった
そんなことを考えてる刹那

ピンポーン


呼び鈴がなった

シーン…


ピンポーン


シーン…


すると、携帯が鳴った

ゆきからだ

「もしもし?」
「もしもしじゃないでしょ!
家にいるならでなさいよっ!」

俺は電話をしながら玄関に向かい
鍵を開け、扉を開けると
明らかに機嫌を損ねているゆきがいた
電話を切り、部屋に上がり
ジュースを飲みながら少し会話をして家を出た

ゆきとは高校一年の時からの付き合いだ

大学を行くときは絶対と言ってゆきが迎えにくる

「今日は何もないからどっか遊びに行こう!」
「えー!いいけどどこ行くのさ!」
「それを考えるのが男の仕事でしょ!?
じゃ今日、帰るまでにね!」
と言ってゆきは小走りで前方にいた友達のところに行ってしまった


いつもなら
「駅前に新しいクレープショップできたから一緒に行こう」とか
「ここのイタリアンが美味しいんだって」
なんて言って
どこから仕入れてきてるのかわからないが
いつも食事に連れ回されるのに…



俺は学食で携帯を片手にどこにいこうか悩んでいると
ふと、カレンダーに目がいく
今日は…
クリスマス!?


「だからか」
なぜか妙に納得したようなきがした


俺は柄にもなく
オシャレな店を予約した

立地条件はよくないが口コミではそこそこ有名な所らしい

本当はもっと立地条件がよくオシャレで美味しい店が良かったが
クリスマス当日、空いてる店が少なく
この日だけは買い手より売り手が主導権を握っていた


大学が終わりゆきの帰りを待つ

そこで俺は一大プロジェクトを考えていた


考えてる最中
ゆきがやってきた

「おまたせー
待ったしょ?ちょっと講義が長引いちゃって」

「いやっ、俺もいろいろ考え事してたから」

「えーな~に~?
何考えてたの?」

「まぁ~そんなことより
店も決めたし帰ろうぜ」

「どこに決めたの?
そうだねっ。帰ろうか」

ゆきは帰路の最中に質問の連打を俺に浴びせてきたが
俺は華麗な身のこなしでその質問を回避し続け家までたどり着いた

次の集合は二時間後、、、

家に入ってから俺の動きは鬼神の如く凄まじい勢いで出発準備をし始めた

ハサミ、セロハンテープ、画鋲、折り紙、くす玉を準備して折り紙を正方形に切り刻む
それをくす玉にぶち込みあらかじめ買っておいたプレゼントと手紙を添えて
髪型をセットして
お気に入りの香水を付けて
出発の準備は整った

待ち合わせ場所まで電車を乗り継ぎ
30分はかかる

待ち合わせ時刻は19時

今の時間は18時40分
完全に遅刻する時間だ

だけど、焦る様子は一切ない
くす玉と画鋲と凧糸を紙袋へ入れ
俺は家を出た

駅とは逆の方向へ歩を進める

向かう先はゆきの家だ

ゆきの家につき
呼び鈴を鳴らす

ピンポーン



「はーい」

お母さんらしき人が出てきた

「こんばんわ、お久しぶりです」

「あらー、こんばんわ
ゆきなら龍也君と御飯行くって張り切って出て行ったけど」

「はい、知ってます
お母さんにお願いが会ってきたんです」

「何?」

「今日、クリスマスなんでゆきさんを驚かせようと思って準備してきたものがあるんです」

お母さんの言葉を待つ前にさらに話し続ける

「それをゆきさんの部屋に配置したいんですがよろしですか?」

お母さんはニコッと笑い
「いいわよ」
といい
快く家に招き入れてくれた

ゆきのいない部屋にはいるのは初めてだ

何度来てもキレイに片付けられ
きれいに整頓された本棚

「あいつはきれい好きだよなぁ
まぁ~そうゆうところに惚れたってのもあるけどな」
何て呟きながら作業にかかる

俺はイメージした通り
天井に凧糸を画鋲で固定してくす玉をセットした

うまく開くかは自信がなかったが
試してる時間もなく
ゆきの家を後にした