いま、性分化疾患・DSDs、インターセックスについての本をいろいろ読んでいます。

内容と感想をメモしておきます。

 

毎日新聞「境界を生きる」取材班『境界を生きる 性と生のはざまで』毎日新聞社2013年

毎日新聞が性分化疾患と性同一性障害のひとびとに取材して作られた本です。

 

1章の性分化疾患では性を選ぶ苦悩が語られます。

事例は2005年や2010年とそれほど古くありません。同じ5α還元酵素欠損症のきょうだい(出生時判定は女児)が長子は女の子として次子は男の子として育てることにするなど、同じ疾患でも性別の判断が割れるケースがあることが紹介されています。

この事例は2010年ころのことでそこまで昔のことではないのですが、性分化疾患の診断の精度が上がったのは1990年代以降のことだそうで、1980年ごろまでは「迷ったら女にしろ」と言われていたそうです。

「医師が判断を誤る、あるいは不適切な治療をしてしまった結果、子どもを作れない体になった人や、心とは逆の性別で生きなくてはならない苦痛を抱える人もいる。

」(p.51)

 

性はとてもデリケートな問題で、診断や説明、治療について適切な対応をとられずに自死に至っている当事者の事例に、心が痛みました。

この本は2013年の本ですが、2023年のいまでもまだまだ情報の提供や医療機関の対応の面で改善が必要なのではないでしょうか。