「乾杯」
四つのグラスがクローバーの形を作ると同時に、甲高い音が響き渡った。
麻奈は今にも泡が溢れんばかりに満杯に入った麦酒を一気に喉に流し込んだ。
冷えたグラスと麦酒が、熱を帯びた体内の温度を一気に下げ、それと同時に高揚感がゆっくりと収まっていくのを感じた。
「はあ、美味しい」
麻奈が満面の笑みを浮かべ、グラスをテーブルに置くと、隣に座る派手な出で立ちの女性、麗香が半眼で視線を向けた。
「あんた、まだ二十歳でしょう?」
何故そのような質問をするのか意図を図りかねた麻奈は怪訝な表情を浮かべた。
「そうだけど」
麻奈の疑問を察したのか、何故と問われる前に麗華は続けた。
「なんで成人したての若者が、そんな気持ち良さそうに麦酒を飲んでるのよ」
「若者って、麗華ちゃんもほとんど変わらないじゃない」
麻奈は直接的な回答をせず、相手を持ち上げようとしたが、逆効果だった。
「あー、なんかあんたに言われると腹立つわー」
二十三歳の麗華はやれやれと言わんばかりに首を振った。
「やめてやれよ。酔いが回らない内に絡んだら、麻奈が可哀想だろ」
麗華の向かい側に座る、短髪の青年が間に入ると、麗華の眉が吊り上った。
「圭輔、あんた麻奈の味方するつもり? ああ、やだやだ。男って結局、若くて可愛い女の子の味方なんだよね」
冗談にも本音のようにも聞こえる口調だった。言葉を返そうする圭輔よりも先に、隣の和哉が黒縁眼鏡に指を当てて口を開く。
「もし麻奈の性格が麗華と同じだったら味方しないけどな」
慈悲の無いその言葉に麗華は渋面になった。
「はいはい。どうせ私は性悪女ですよーだ」
半ばいじけ気味の自虐に、麻奈と圭輔と和哉は揃って笑い声を上げた。
四人は全日本麻雀プロ連盟に所属するプロ麻雀士、三十期生の同期だった。一ヶ月に一度行われるリーグ戦、且つ公式戦初試合を終え、反省会と称して集まっていた。
「それで、みんな今日はどうだったの?」
四つのグラスがクローバーの形を作ると同時に、甲高い音が響き渡った。
麻奈は今にも泡が溢れんばかりに満杯に入った麦酒を一気に喉に流し込んだ。
冷えたグラスと麦酒が、熱を帯びた体内の温度を一気に下げ、それと同時に高揚感がゆっくりと収まっていくのを感じた。
「はあ、美味しい」
麻奈が満面の笑みを浮かべ、グラスをテーブルに置くと、隣に座る派手な出で立ちの女性、麗香が半眼で視線を向けた。
「あんた、まだ二十歳でしょう?」
何故そのような質問をするのか意図を図りかねた麻奈は怪訝な表情を浮かべた。
「そうだけど」
麻奈の疑問を察したのか、何故と問われる前に麗華は続けた。
「なんで成人したての若者が、そんな気持ち良さそうに麦酒を飲んでるのよ」
「若者って、麗華ちゃんもほとんど変わらないじゃない」
麻奈は直接的な回答をせず、相手を持ち上げようとしたが、逆効果だった。
「あー、なんかあんたに言われると腹立つわー」
二十三歳の麗華はやれやれと言わんばかりに首を振った。
「やめてやれよ。酔いが回らない内に絡んだら、麻奈が可哀想だろ」
麗華の向かい側に座る、短髪の青年が間に入ると、麗華の眉が吊り上った。
「圭輔、あんた麻奈の味方するつもり? ああ、やだやだ。男って結局、若くて可愛い女の子の味方なんだよね」
冗談にも本音のようにも聞こえる口調だった。言葉を返そうする圭輔よりも先に、隣の和哉が黒縁眼鏡に指を当てて口を開く。
「もし麻奈の性格が麗華と同じだったら味方しないけどな」
慈悲の無いその言葉に麗華は渋面になった。
「はいはい。どうせ私は性悪女ですよーだ」
半ばいじけ気味の自虐に、麻奈と圭輔と和哉は揃って笑い声を上げた。
四人は全日本麻雀プロ連盟に所属するプロ麻雀士、三十期生の同期だった。一ヶ月に一度行われるリーグ戦、且つ公式戦初試合を終え、反省会と称して集まっていた。
「それで、みんな今日はどうだったの?」