- ヴァルキリープロファイル -咎を背負う者-
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CHAPTER 1 焦がれるもの
ヴァルキリープロファイルー咎を背負う者ー 魔術師 ロクスウェル
の続きです。
シェリファ 「 言わなくていい。・・・あたし、知ってる。
本当は・・・始めから知ってたんだ。
父さんは、ちっとも悪くないって。
母さんの実家が企てた謀反で、
父さんはアルトリアの正規軍を追われたんだよね 」
ロクスウェル 「 お前・・・」
シェリファ 「 母さんが処刑されて、
あたしも始末されそうになった時、父さんは決断した・・・。
世間を捨て、親子二人、暗殺者として情報部隊に入ることを。
父さんは、なすすべもなく死ぬよりも、
命令に従って、暗殺者として生き延びるほうを選んだ。
すべては、生まれたばかりだったあたしの命を守るため・・・。
そうだよね 」
ロクスウェル 「 そこまで、知っていたのか・・・。」
シェリファ 「 あたしは、仕方のないことだって、
何度もそう、自分に言い聞かせてきた。
でも・・・、でも・・・、でもね・・・・・・。
やっぱり・・・、父さんにはもっと優しくしてもらいたかったな・・・。
もっと、甘えたかった・・・」
ロクスウェル 「 ・・・・・・すまなかったね、シェリファ・・・。」
シェリファ 「 ・・・べ、別に、あたし・・・・・・、
泣いてなんか、いないからね。えっく・・・。ひっく・・・。」
ウィルフレド 「 ・・・・・・。 これから、どうするんだ 」
シェリファ 「 ・・・うん。あたし、もっと色んな世界を見たいんだ。
今までとは違う世界を。 だから、絶対に部隊には戻らない。」
ウィルフレド 「 ・・・どこへ行っても、所詮、血塗られた世界だぞ。」
シェリファ 「 そんなことないよ あたし、信じてるんだ
いつかあたしも、愛する人と出会うって。
誰かとともに、手を取り合って生きて、
あたしは、幸せの中で死んでいくんだ。
この世には絶対、そんな世界があるって、あたしは信じてるよ 」
ウィルフレド 「 ・・・・・。」
シェリファ 「 君は、そう思わないの 」
ウィルフレド 「 あいにく、簡単に信じられるほど、
甘い世界に生きていない。」
シェリファ 「 ・・・・・。
決めた あたし、君に付いていく」
ウィルフレド 「 」
シェリファ 「 一緒に旅をして、あたしが君に教えてあげる。
信じられる世界は、必ずあるってことを。
あたし、もう決めたからね。 何言っても、無駄だから 」
ウィルフレド 「 ・・・・・。」
ロクスウェル 「 ・・・この子は、こうと決めたら、てこでも動きませんよ。
そういう娘です。」
ウィルフレド 「 ・・・・・・。 好きにしろ。」
ロクスウェル 「 ならば、私もともに行こう。シェリファ。」
シェリファ 「 父さん 」
ウィルフレド 「 お前も、国を捨てるのか 」
ロクスウェル 「 娘を逃がしたことは、早晩、知れ渡ります。
もとより、戻る場所などありません。
それに・・・、少しでも愛娘とともにいたいのです。
私は、闇に生きる者として、親子の情愛は妨げになると考え、
ずっとこの子を遠ざけてきました。
けれど、それが余計に、
シェリファに辛い思いをさせることになってしまった・・・。」
シェリファ 「 父さん・・・。」
ロクスウェル 「 私は、自らの生き方を娘に教えられました。
国よりも、戦よりも、自分の命よりも大切なものを
私は見守りながら生きていきたい・・・。
シェリファという、たった一人のかけがえのない宝物を。」
シェリファ 「 父さん・・・。」
ロクスウェル 「 シェリファ・・・。」
ウィルフレドは、父娘に背を向けて・・・
ウィルフレド 「 父子か・・・・・・。
・・・・・・。
この女神の羽さえあれば・・・、
俺も、父さんに報いることができる・・・。
父さん・・・。」
ここで、正式に、
『シェリファ』 『ロクスウェル』 が、仲間になりました
魔術師が仲間になって、ちょっと心強くなりました。
ロクスウェルは、『バーンストーム』と『キュアプラムス』 が使えます。
to be continued ・・・