- ヴァルキリープロファイル -咎を背負う者-
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ここは、冥界・・・
暗闇の中で、ウィルフレドの頭の中に、蘇ってきた光景・・・
父と共に戦ったという兵士から、
「 おまえの父は戦乙女に選定されたのだ 」
と知らされたこと、
父の死をきっかけに一家の家計が困窮し、
栄養失調で、妹エルシーが死んだこと・・・
そして、妹の死に責任を感じて、
母マルゴットの心が病んでしまったこと・・・
親友アンセルは、母を預けて村を出たウィルフレドを心配し、
彼についてきたのでした。
アンセル 「 戦場でバリバリ稼いで大金を手にすりゃ、
戦乙女に復讐するなんてバカなこと考えなくなるさ。 」
アンセルは、そう考えていたのですが・・・
ウィルフレド 「 バカなことだったのか・・・
親父を殺して、エルシーを死なせた戦乙女に、
復讐しようとしたことが・・・
・・・。 ・・・このままじゃ死ねない・・・。
呪ってやる 戦乙女ッ
せめて、俺の意志が消え果てるまで・・・ 」
その時、暗闇の中で、また別の声が聞こえてきたのです。
「 死の間際にて、より一層燃える復讐の炎。
人間を戦の駒としか見ぬ神々と、
選定者たる戦乙女に逆らおうとは・・・ 」
ウィルフレド 「 ・・・誰だッ 」
「 戦乙女、・・・だとしたら 」
ウィルフレド 「 出てこいッ
俺の心が読めるんだろッ 俺と勝負しろッ 」
「 戦死すらできぬ哀れな戦没者・・・
未練の念に囚われたまま、冥界にて果てるがいい。 」
ウィルフレド 「 くそッ この魂が消えるまで呪い続けてやるッ・・・
生まれ変わっても、ずっと・・・ 」
「 ほう、妄執の炎が輝きを増している・・・
戦乙女への憎しみは確かなようだ。
おもしろい・・・
生きて復讐したいか 」
ウィルフレド 「 」
「 そのためにどんな犠牲をも
いとわぬ覚悟があるのならーーー 力を与えようぞ。」
ウィルフレド 「 ・・・ 」
「 フフフ・・・ さあ、・・・どうする 」
ウィルフレド 「 ・・・ 」
「 そうか。 ならば是非見せてほしい。
駒が神々に刃を突きつけ、戦乙女に死を与える姿をーーー
これは契約だ。」
そして・・・
アンセル 「 頼むよ、神様・・・。
どうかウィルフレドを助けてくれ・・・。
俺の命と引き替えでも構わないから・・・ 」
ウィルフレド 「 ・・・・・・・ッ。」
アンセル 「 ・・・ウィル 」
ウィルフレド 「 ・・・アン・・・セ・・・ル 」
アンセル 「 ウィル 良かった、気がついた
お前、俺をかばって死にかけたんだよ」
ウィルフレド 「 ・・・そうだ、俺、死んで暗闇に堕ちてーーー。」
アンセル 「 死んでねえよ ちゃんと生きてるって」
ウィルフレド 「 じゃあ、あれは・・・夢、だったのか・・・。」
アンセル 「 神様、ありがとう・・・。
俺の祈りを聞き届けてくれて・・・。」
ウィルフレド 「 大げさだな、アンセル。」
アンセル 「 大げさなもんか
こんなに強く祈りを捧げたのは、生まれて初めてだぜ。
祈りが届いて本当に良かったけど、
ウィルには大きな借りができちまったな。」
ウィルフレド 「 ハハハ。」
アンセル 「 さあ、砦へ戻って賞金をもらおうぜ」
ウィルフレド 「 ああ。」
こうして、ウィルフレドは生還することができたのですが・・・
to be continued ・・・