人生と言うものは実に面白いものである。
ここに越してきた当時アパートのマスターに言われた。
確かにおもしろい。
でも、私の人生はそう「おもしろい」と言えるほどいいものであったのだろうか?
ごく普通に生きてて、誰にも注目されないように生きてきた。
このまま自分の狭い世界の中で一生を終えるのだと思っていた。
ep01 はじめまして。
「…だれよー…」と携帯を見る私。お兄ちゃんとかだったら出ない。どうせ、くだらないことだから。
いやいや、携帯を手に取り画面を見ると見覚えのある名前が目に写った。
「…もしもし…」
『えー、もしかして寝てた?』
「ええ、寝てましたとも。あれ?麻子も今日休みだった?」
『休みだよー。休みじゃなかったらこんな時間に連絡できないでしょ』
「あはは…それもそうだ。で?なんか用事あったんじゃないの?」
『あ、そうそう!恵梨子に会わせたい人がいてさー』
「私に?」
『そう、恵梨子に』
「なんでそんな話に」
『まあ、それはおいおい説明するから。でね、その会わせたい人が今日休みだからどうですかーってさっき電話きて言われたのよ。そっちがよかったら今日会いませんかーって』
「…行かなきゃダメ?」
『そんな可愛い声で言ってもだめ。私ね恵梨子に会わせたいのその人』
いきなり真面目な声になり彼女の真剣さが心に伝わった。
なんでそんなに会わせたい人なのだろうか?
「…じゃあ行くよ。今回だけだよこんないきなりな話」
『うん!わかった!じゃあ、12時に駅前で』
「あい」
なんだか、ゆっくり出来ると思ったら急な予定で私の予定は全て崩れてしまった。
ああ、映画は次の休みにするとして…。
いろんなことを考えながら準備をしていると約束の時間の5分前だった。
「あああああああ」
