【お知らせ】

7月5日フィーチャーフォン版Ameba提供終了を受け、同月1日をもって退会する事にしました。

最近ではすっかりほったらかしだったこのブログですが、こういった場で記事を書けたのはとても楽しくて正直名残惜しくもありますね。

ただ、良きタイミングだと判断しました。やはり最近全く書けていませんでしたし、、、その点についてはもし楽しみにされていた方がいらっしゃったら申し訳ないです。

今後、退会までにいくつか作品を書けたらいいな書きたいなとも思いますけど、これまで書けなかったのであまり期待しないで下さい(苦笑)

それでは、これまで読んで下さった全ての方々に感謝申し上げます。



ありがとうございました。

第24話 エイプリールフール

オバケが出た。
引っ越して間もない新居。賃貸なのが不幸中の幸いと言うべきか。それにしても我が家にオバケが居座っているという状況は居心地が良くない。

寝起きの枕元。
目覚めると、オバケが私の顔を覗き込んでいた。当然ながら、大声で叫ぶ。

｢ぎゃあ！｣

すると、オバケは心なしか満足そうに、部屋の隅っこへと後ずさった。

以来、そのまま動かない。特に何か危害を加える事もないが、それでも気持ちが悪い。すぐさま不動産屋に電話を掛けた。

｢もしもし？｣

｢もしもし。あの、部屋にオバケがいるんです｣

バカ言うなと叱られるかもしれないなと思いながらも正直に打ち明けると、

｢……ああ。エイプリールフールですからね｣

とあっさり返された。

エイプリールフール？

｢どういう事ですか？｣

｢ですから、エイプリールフールの嘘なんです。安心して下さい。明日になればいなくなりますから｣

などと笑われながら電話を切られたら、もはや放っておくしかなかった。

次の日。確かに、オバケの姿はなかった。それ以降、２度と現われる事もない。ただし、次の４月１日にはまた出て来るんだろうな。

第23話 中濃ソース

旦那に中濃ソースを買って来るよう頼んだら、案の定ウスターソースを買って来た。これで３度目だ。

これが正直に『間違えた』と謝ってくれるのならまだ許せるのだが、

｢中濃が売り切れてて｣

などと嘘をつくから余計に腹が立つ。言っておくが、ウスターソースが売り切れという事はあっても、中濃ソースが売り切れるなんてあり得ない。仮に売り切れならば、もれなくウスターソースも売り切れてないとおかしい。と指摘すると、旦那は決まってこう訊ねて口を尖らせる。

｢大体、中濃ソースなんて誰が使うんだよ？｣

確かに、中濃ソースを使うのは家族で私だけかもしれない。当然、減りも遅い。だからこそ買い置きなんてしていない。その一方で、ウスターソースはみんながよく使う物だから普段から買い置きをしてあるのだ。なので、

これ以上、ウスターソースを増やすんじゃないよ！

と強く言いたい。むろん、中濃ソースがないのは困るのだけれど、何よりも私がウスターソースが嫌いなのだという事を旦那がいまだ覚えてくれない事に、私は苛立っている。