一晩中泣き腫らした
泣くのはここまで
一時は折れそうになった自分に葛をいれた
今日は土曜日だ
学校もない
舞美の自宅に電話した
「もしもし…舞美のお母さんですか?
良樹です…はい……
折り入ってお話ししたいことがあるのでそちらにお伺いしてもいいですか?
…はい、出来ればお父さんも……では。」
舞美のいない舞美の家に向かった
行くと舞美のお母さんがすぐに出迎えてくれた
「良樹君…いらっしゃい…どうぞ」
舞美のこれからの話しを聞いた
来週には病院をでるらしい
残りの時間を少しでも多く家族や大切な人達と過ごすための配慮だそうだ
ただし容態が悪化した場合は直ぐさま入院らしい
あとからお父さんも揃い三人になった
「いきなり押しかけてしまい、すいませんでした…」
「いいえ…大丈夫よ、舞美の事…よね?」
お母さんは俺の様子を伺っていたが
お父さんは何も言わないでジッと空(くう)をみていた
「はい…今から俺が話すことを
出来れば最後まで聞いてください…
そしてどうするかはそのあと…
決めてください…
殴られる覚悟はあります」
呼吸を整えて真っ直ぐに舞美の両親に向き直った
「まず…ちょうど舞美が退院してから学校は一ヶ月程で冬休みに入ります…
舞美を学校に行かせてあげてもらえないでしょうか?
学校での事はすべて俺が責任を持ちます
そして冬休みに入ったら
残りの時間すべてとはいいません…
せめて舞美が元気な間
俺に舞美の時間をいただけないでしょうか?
俺は…
舞美とは長い付き合いなのはわかっていただいてると思いますが…
舞美の身体の事を気にかけるばかりで
彼女に何も…
何1つ…らしいことをしてあげてられなかったんじゃないかと思います
いろんな物を舞美に見せてあげたい
やりたい事をやらしてやりたい
色んなものに触れさして
舞美に
思い出を
楽しい時間をあげたい
そしてその時を一緒に過ごしてやりたい
これは俺の我が儘です
そういう時間なら家族と一緒に居たほうがいいんではないかとも思います
俺が今、舞美にしてあげれる総ての事を…
時間が足りないのがわかっていても
だからこそ
時が許すかぎり
俺の持てるものすべて舞美に捧げたい
これは
一晩かけて考えた結果です
お願いします!
俺に…
舞美さんの時間を下さい!
ご迷惑なのは百も承知です!
でも…
俺は
それでも
舞美と一緒にいたいんです!!」
全身全霊で土下座をした
頭に後が残るんじゃないかというくらい床に押し付けた
我が儘なのはわかってる
大切な家族の時間を裂いてしまうのも
俺は学生で
力も知恵もない癖に
無茶苦茶な事を言っている
それでも
「良樹君…顔をあげて?
あのね実は舞美も学校に行きたがってるの…
本当は辛いけど
学校は行かせてあげるつもりなのよ。
学校にも連絡して許可を得てるから良樹君にあとで学校側からお話しがあると思うわ。
良樹君も…
私達と考える事は一緒なのね…
本当によかった…
舞美の最初で最後の大切な人が良樹君で…」
舞美のお母さんは
そこまで口にすると泣き出してしまった
するとこれまで一言も発しなかった舞美のお父さんがいきなり立ち上がって俺の前まで来た
そして手を振り上げた
殴られる!!
と思った瞬間
抱き寄せられた
お父さんもいきなり泣き出した
「良樹君!…そんな他人みたいに自分を言わないでくれ!
君は立派なうちの家族だ!!
私達も、もちろん舞美と共に過ごしたい…
しかし舞美も良樹君と一緒にいたいと願っている!
良樹君もこんなにも舞美を思ってくれる!
それを私達が…
家族が…望む未来を
拒むわけがないじゃないか!
拒む事なんて出来るわけないじゃないか!!」
俺の頭を強く抱き抱え
嗚咽を噛み殺すように
ただひたすらに
泣いていた
一時でも多く一緒いたくないわけがない
それでも
これがこの人達が舞美の幸せを考えた結果だったんだろう
そして俺はこの気持ちに必ず答えなければならない
舞美の両親も
舞美も
俺にとって大切な家族だから