. なんか戦闘にかまけてたら、プレイ中ほとんどメモ取ってませんでした。
 細かい経緯とかキャラの発言とか抜け落ちてます。


 それと私事で恐縮ですが11月10日に電撃文庫から拙著『イヤになるほどヒミコなヤンキー』 が発売されます。
 どうか買ってください。買わないと死ぬ。私が。
 次のセッションで皆きっと購入して持ってきてくれると信じてる、あたし。


 では本題。
 一党は片目のサダームからゴリアテ一家を譲り受けた。
 やったー。
 じゃあ法務神官テホイジァン暗殺してきてー、とゴリアテ一家に命令しようにもどうすればいいのかわからない。
 ゴリアテ一家ってどこにいるの? 誰がいるの? 何してる人達なの?
 全然しらないのだった。
 誰に言えばゴリアテ一家が一党の手足となって動くのか。ゴリアテ一家を配下にして利点は何かあるのか。街でゴリアテ一家を見つけたとして、おう、オレ達おめー等のボスなんだけどちょっと焼きそばパン買ってきて、と言えば言うこと聞いてくれるのか。
 あれ? これって片目のサダームに騙された? ゴリアテ一家くれるって言ってたけど、ただの口約束じゃね?
 なんてことはないのだった。
 ちゃんと片目のサダームから言付かっていたゴリアテ一家の幹部がいるという。
 名を鬼面御前という。ゴリアテ一家のナンバー2でハシシを取り扱っているスリクリン。女幹部だそうだ。
 その鬼面御前から一党に使者が寄こされる。
「鬼面御前が皆様方にお話ししたいことがあると申しております。ご案内いたしますので。どうか同行願えませんでしょうか」
 鬼面御前の副官だというハーフエルフは低姿勢で願い出てきた。一党はそれに同意し、バザール近くの酒場へと案内される。『桃源郷』という名の酒場である。事情通などでチェックしたところ、この店はハシシと縁が深い店だという。売人が取引に利用したり、実際に客がハシシを吸引したりしている。鬼面御前が実質的に取り仕切っている店なのであろう。
 その店に、一党は足を踏み入れる。
「お客さん、今日は大事な話し合いがあるんで、シロウトさんは立ち入り禁止だよ」
 桃源郷の主人が一党に警告する。一党は早速威圧。
「その大事な話し合いの相手が俺達なんだけど? ていうか、俺達がゴリアテのボスなんだけど?」
 桃源郷の店主は後退りして背後の棚に激突。棚から大量の酒瓶が落下し割れた。
 びびった店主は店の奥を指し示す。
「鬼面御前ならあそこでお待ちです」
 見れば、馬の生首のお面を被ったスリクリンがテーブルについている。その脇には用心棒らしいゴライアスが2人。その他に下っ端らしい連中が10人ほどズラッと並んでいた。
「……来たか……予知の通りだ」
 馬の生首のお面をつけたスリクリンが思わせぶりに呟いた。
「馬の生首か―。じゃあ、俺はそこの下っ端の生首でお面つくるよ」
「それ、悪ふざけで人を殺してるよね?」
 鬼面御前は話し出す。
「片目のサダームから話は聞いている。ゴリアテ一家の新たな頭領の座を貴様らに譲った、と。私はそれを認めるにやぶさかでない。貴様らを新たな頭領として受け入れてもいい。もともと片目のサダームもゴリアテ一家を乗っ取って頭領の座に就いたのだ。だから、今度は貴様らが新しい頭領としてゴリアテ一家を手に入れるのもいいだろう。
 だが、片目のサダームとていきなりやってきて、いきなり頭領になったのではない。一家の中で功績を上げ、人脈を築いて地歩を固めた。そうして信頼を得て、統率を示した上で頭領の座を奪い取ったのだ。貴様達も、突然見ず知らずの相手が現れて、『今日からオレがお前のボスだから言うこと聞け』と言われて素直に従うか?
 だから、貴様達には組織内で信頼を得てもらいたい。統率力を示してもらおう。そうすればゴリアテ一家の皆も自然と頭領と認めるだろう。私もその手助けを約束しよう。それが片目のサダームから頼まれたことだ」
「なるほど。言いたいことはわかった。だが、お前のその偉そうな口ぶりがムカつくのでぶっ殺したい」
 ウルヴェントが率直な意見を述べた。組織を統率するにはまず恐怖からということで、実に的確な判断と言えよう。すると、鬼面御前ニヤリと笑い(お面被ってたけどわかったのだ)、
「やめておけ……私に手を出すと、私の奥底に眠る真の力が目覚めて半径5キロ四方が消滅しかねない……それでもいいのか?」
 キャラ的にスベってる人だと判明。
「ほう。そんな凄い力があるならちょっとテホイジァン殺してきて」
「いいだろう、任せておけ……ただし、今は時期が悪い。我が主星オラクルが大鎧座の星辰に入らねば力が暴走してしまう……そうなればこの星ごと破壊しかねん……時が満ちるまで待つがよかろう」
「それいつだよ」
「500年後くらいかな」
「言っちゃえよ! 本当はそんな力なんて無いって! 正直に言えよ!」
「くっ……やめろ! それ以上私に触れるな……! ……収まれ! 収まれ、我が波動よ……! 闇の力よ……! 貴様等、早く逃げろ! 私がこの力を押さえているうちに……! 私は誰も傷つけたくない……傷つけたくないのだ!」
 もうめんどくさいので放置。
「まあそれはさておき、早速だがゴリアテ一家内の問題を1つ解決した方がいい」
 闇の波動を押さえこんだ鬼面御前はしれっとした顔で言ってきた。
「ゴリアテ一家の中にも様々な幹部がいることは知っているな? その内の一人が仲間から無理難題を吹っかけられて困っている。頭領として、それを解決するがいいだろう」
「内輪もめか? どういうことだよ?」
 聞けば、ゴリアテ一家には今全部で8人の幹部がいるという。それぞれが自分の勢力というものを持っている。で、今までは片目のサダームがそれを取りまとめていた。だが、片目のサダームが消えた今、タガが外れて好き勝手なことをやりだしているらしい。
「ゴリアテ一家の中で賭場を取り仕切っている幹部がいる。名をドツボと言う。幸運の館という賭場の他にもう2店を所有しているのだが、それらの賭場を譲れと脅されているらしい」
「誰に脅されてるんだ?」
「シャイアーンという幹部がいる。この者は他組織との抗争や揉め事を解決するための兵隊を指揮する立場の男でな。ゴリアテ一家内では最も勢力が大きい。そのシャイアーンにはスラムやバザールをそれぞれ根城にする子分どもがいて、その内の一人ボエーというのがドツボを脅している。ボエーが根城としているのはバザール地区だ。その地区にあるドツボの賭場を自分のものにしたいらしい。『お前のところ儲かってるらしいな、くれ!』と」
「幹部の手下が幹部脅すとか許されるの?」
「最大勢力の幹部の手下だ。それに比べてドツボは賭場を仕切ってはいるが自分で抱える兵隊は少ない。片目のサダームがいなくなった今、押さえの効かない連中がそれに乗じようと動き出すのも自然なこと」
「シャイアーンとか、どのくらい兵隊抱えてるんだ?」
「シャイアーンの子分達は4人いるが、それぞれが50人ほどを抱えている。それを纏めているシャイアーンは200人以上の兵隊を動かせる立場にある。一方のドツボは各賭場にいる手下を全部まとめても50人に届くまい。そういうわけで、ドツボは自分の店を守ってくれる後ろ盾を欲しがっている。貴様達が上手くやれば、ドツボは感謝して味方となるだろう」
「シャイアーンとドツボか。それ以外の幹部は? どんな奴なの?」
「では残りの者についても話すとしよう。
 バザールの顔役と言われている男がいる。盗品売買を生業としている男だ。故買屋といえば良いか。名をセアブラという。バザールに自分の店を構えているが、実態は盗人達の頭領だ。奴は手下の盗賊どもを手足のように使う。情報収集に優れているな。盗賊達を30人以上抱えているらしい。
 そのセアブラと関係が深いのが始末屋達だ。要するに暗殺者だな。盗人のルールを破った者を消したり邪魔な商人の家を燃やしたり、まあ、そのような汚れ仕事専門の連中だ。これを取り仕切っている幹部はクビナシというのだが、このクビナシとはセアブラを通さないと話ができない。というのも、このクビナシを始めとして始末屋達は普段どこにいるのかわからぬ。だから、直接話をしようにも話の持って行きようがないのだ。唯一クビナシと連絡方法を持つセアブラに頼らざるを得ん。実際、私もクビナシの本当の顔を見たことは無いくらいだ。始末屋達は契約を重視する。契約に無いことであれば、同じゴリアテ一家内の揉め事であろうと介入しないという態度を貫いておる」
「これで4人。あとは?」
「売春宿を取り仕切っているマダムトカレフを忘れてはならない。バザールの近くに『真夏の夢』亭という娼館を持っているほか、近辺の街娼達を大勢抱えている。娼婦達の組織を代表しているとでもいえば良いかな。金を払わないでやり逃げする男を見せしめに吊るしたりするようだ。
 次に、人身売買をやっている男がいる。手配師カナリという男だ。スラムに事務所を持ち、表向きは日雇い労働者を手配してその手数料を取っている。募集をかけて人夫を必要なところへ連れていくわけだな。そして、自分達の所を通さないで勝手に働こうとする者をシメるというやり口だ。が、裏では人を攫って売り飛ばしたりしている」
「奴隷売買か。ティールの街じゃ禁止されてるはずだろ」
「だから、裏でこっそりだ。他の街へ売りさばけば足がつかない。また、この街の地下迷宮に住む怪物達にも売ったりしているらしい。もともとはかなり手下を抱えていたが、最近何か抗争でもあったのか、その人数を減らしたらしい。
 それから、密造酒工場を3つ持っている酒問屋のアコギという男がいる。ゴリアテ一家内で密造酒販売を一手に担っている男だ。密造酒を酒場に卸しては儲けている。自身も酒場等飲食店を幾つか持っていて手広くやっているようだ。こいつは守銭奴で、とにかく金が稼げれば上が誰でも関係ないだろう。
 そして、最後に私、鬼面御前。私はハシシの取引が仕事だ。各地区でハシシの売人達を組織し、彼等にハシシを卸す。ハシシを持ちこんでくるウルド商人達との交渉なども担当している。ゴリアテ一家の概要は大まかにこんなところだ」
 話を聞いて、一党は方針を定めた。
 まずは自分達がゴリアテ一家の新しい頭領であることを認めさせる。そのために、幹部達を集めて会議を開く。幹部会の招集というわけだ。場所と日時は、ここ『桃源郷』に明日でよかろう。ここへ全員来い! と呼びつけるのだ。それに従わないものは一党を頭領として認めていないということで滅ぼす。なんか大体こんな感じだったと思う。もしかしたら全然違ったかも。
「……幹部会の招集については、各幹部に使者を送っておこう。もっとも始末屋達の元締めであるクビナシには直接は連絡がとれないが……」
 鬼面御前が幹部会の手筈を整えるという。
 じゃあ、一旦自分達の宿屋に戻ろうぜ、となった一党。桃源郷から出てしばらくすると、下手くそな尾行がついていることに気付く。早速、その尾行者を捕えるのだった。
 気弱そうなやせ男である。
「お、俺はただ頼まれただけなんだよ。あんたらどこへ行くのかついてけって」
「誰がお前に頼んだんだ?」
「な、名前は知らねえ」
「よし、そいつのところへ案内しろ」
「わ、わかった。こっちでげす」
 と、やせ男は路地裏を進んでいく。一党もそれに従って路地の奥へ。
 そこは細長い路地だった。その路地の先からゆらりと人影が2つ。しかも、ガラガラと音を立てて、棘だらけのバリケードが彼等の後ろで道を遮る。塞がれてしまった。そして、一党の背後からは、
「よーし、よくやった。うまく誘いこんだな」
 人相の悪い連中が退路を断っているではないか。挟み撃ちのような格好。
 やせ男はおろおろと、
「え、こ、こりゃどういうことで?」
「こいつらの始末は先生の用意したこの化け物どもがやってくれる。お前はもう用済みだ」
「そ、そんな、こいつらをここに連れて来いって、ただそれだけの仕事だって話じゃあ……」
「一緒に死ね」
 その声に呼応したのか、前方の2つの人影がローブをはぎ取る。
 そこに立っていたのは、どこか左右非対称な人型の何かだった。体についた肉は渦を巻いたようになっていて、見る者を不安にさせる。その表情は人にあらず。生きている者への悪意に満ちた怪物。異形の者どもであった。
 どうやら一党はまんまと誘いこまれてしまったようだ。前に異形、後ろには、
「あ、あいつらボエーさんの手下なんです! 俺はあいつらに言われたからやっただけなんですよ! 旦那がた、助けてください!」
「余計なこと言うんじゃねえ!」
 やせ男が言うにはボエーの手の者らしい。5人ほどもいるだろうか。もし異形の者どもと戦うことを拒むのならば、このボエーの手下達を突破して逃げねばならない。といったところで戦闘開始。
 さっそく異形のもの、ファウルスポーン達が力を振るう。
 ファウルスポーンのおそましきものが体内から肉色の長虫を撃ちだした。それは過たず、やせ男の額に噛み付き潜り込む。それで幻惑状態となったやせ男、狂気の囁き声を耳許で呟かれ、目鼻口から血を噴き出して狂死した。
 さらにファウルスポーンの切り裂き魔がしたしたと近付いてくる。その4本の腕には骨の短刀が握られていた。自らの骨を削りだしでもしたのだろうか。この切り裂き魔、戦術的優位を得ている相手に対して+2D6の追加ダメージを与えてくる。で、それが4回攻撃とかしてくるのだ。
 しかもさらにこいつらひどいことに、
「よし、マークした。ファイターの能力で、もし離れようとしたらすかさず機会攻撃」
「じゃあ、瞬間移動。もしくは機動防御で機会攻撃された時のACに+5修正がつきます」
 機会攻撃受けずに移動したりするのだ。ファイターのマーク能力を半減させるような特徴を持っている。しかも、そうやって移動しては一党を挟撃してくるし。
 ファウルスポーン達は的確に弱そうな相手を狙ってくる。
 だが、この日はファウルスポーン達のサイの目が非常に悪かった。そうやって外しまくっている間に一党はダメージを積み重ねていく。その醜態に業を煮やしたのか。一党の背後で退路を断っていたボエーの手下連中が突っ込んできた。


 でも何とか勝ちました。


 良く覚えてないけど、一党はファウルスポーン達を葬りボエーの手下を2人拘束することに成功する。
 で、ボエーの手下にさあ尋問といったところで、突然ボエー本人が手下連れて雪崩れ込んできたではないか。そして、手下2人を有無を言わさず殺してしまう。
「まったく、こいつら勝手なことしやがって! 申し訳ねえですね、新しい頭領。これこの通り、落とし前はつけさせましたので」
 手下2人の首を差し出すボエー。手打ち、ということにしたいらしい。ウルヴェントはそれを快く受け入れ、
「うむ、では明日の幹部会にはシャイアーンを連れてこいよ」
 と度量の大きいところを見せるのだった。
 おお、さすが新頭領だ、とボエー達が背を向けて帰ろうとしたところ、
「悪は許さん!」
 ボエーめがけてケイオスボルト。
 こんなもんで敵対した連中を許すような甘い生き方はしてないのであった。
 結局、ボエーの用心棒や兵隊は倒したもののボエー本人は護衛と早々に退却してしまう。
 取り逃がした格好だが、これでゴリアテ一家内の敵がはっきりしたので良いのである。
 というわけで、次回に続く。