左胸が右胸を見下ろすOP(オペ)の夜
手術が終わり、病室に戻った時のことは覚えていない。
気が付くと、左の背中に枕が入って高くなり、
左胸が右胸を見下ろす姿勢になっていた。
というより動けない!
縛られている感じ!
帰室後2時間は上向きで動かないこと、その後はベッド上で
体の向きは変えてもよいと言われた。
私が動かせるのは首、口、目と右手。
不動姿勢は、体全体がどんどん重くなる気がした。
朝まで耐えられるだろうか・・・。
でも耐えるのが患者の宿命か・・・。
夕方、執刀医と主治医にE医師がベッドサイドに来られた。
「無事に終わりましたよ。乳首の形を残すようにがんばりました。
センチネルリンパ節の転移もありませんでした」
と告げられた。神様には見えなかったが、
なんて素晴らしい先生達だろうと感激した。
そして兎にも角にも安心した。
リンパ節郭清術はなかった。最初の山を越したようだ。
最後までお読み下さってありがとうございました。
イラストは、私の胸?!
似ているような似ていないような・・、
手術の傷が、こんな感じなのを描いてみました。
2か所の小さな傷です。
傷は小さくても、奥は深い、深い・・・
私のまだ知らない身体だったのです。