私は今悲しみの淵にいる。
昨年11月6日の夜親友の奥さんから突然電話が有った。
珍しいな?とは思ったが話しを聞いて我が耳を疑った。
奥さんから聞かされたのは親友の死の知らせだった。
「何で!」つい声を荒げて聞いてしまった。
親友は渓流釣りが趣味なのだが、昨年5月22日に山梨県に一人で釣りに行きそのまま帰らなかったそうだ。
いつもならこれから帰ると電話が有るのだが、その日は電話も無く携帯にも出なかったそうだ。
奥さんが警察に捜索願いを出すと釣り場近くの駐車場で車はみつかったが周辺での親友の姿は見つからなかったらしい。
それから半年近く経ち下流から遺骨の一部が見つかりDNA鑑定の結果本人と判明したそうである。
死亡が確定した事により奥さんから知らせて来たのだった。
私はこれまでの人生で味わった事の無い悲しみに襲われて涙が溢れて来た。
代われるものなら代わってあげたいとさえ思った。
葬儀に出た後もまだ実感が湧かない。
しかし事実であると言う矛盾に苦しんでいる。
毎日毎日朝から晩までやつの事ばかり考えている。
考えてもどうにもならない事はわかっているが考えずにはいられない。
