正直、怒りにも似た感情を
読後、覚えた。



介護ミスで
弱っていく母親を助けることができず
死なせてしまった遺族に
この小説はあまりにも
残酷すぎる






わたしの母の直接の死因は
誤嚥(ごえん)だった。



母の最後の食事となった朝食に
同席した婦人から
わたしは詳しく話を聞くことができた。



朝食を完食したのち
母は着席したまま
苦しむことなく
亡くなったらしい。


咳、一つせず
同席の、その人さえ
母の最期のその瞬間に
気づかなかったそうだ。


母の頭が、
少し、ガクッと
前にかがみになり

はじめはお茶でも飲むのかと
思ったが
母はそのまま動かなかった・・

母の正面に座っていた
その婦人は
その時、初めて
母の異変に気がついたという。





確かに、わたしが駆けつけた時も
母のお顔はきれいで
苦しんだあとは、どこにもなかった。

おそらく
ほとんど大往生に近いかたちで
天に召されて逝ったであろうという
医師の意見に
わたしも異議はない。



だが、介護ミスはあった。
虐待等ではなく、あった。


認知症から
昼夜が逆転し
夜、眠らないからと
昼寝を禁止されていた・・・


夜、眠らない重症の心不全の患者を
昼間、ベッドに
横たわる事を禁止したら
どうなるか?





そう言う事だ。



退院して2週間で
母は施設で亡くなった。

夜間、人手不足という理由で
末期の心不全の母を
昼間、寝かせようとしなかった
看護師の
その施設の、
罪は重い。


神は、天は、
決して彼女を許さないと信じている。



わたしの
あの看護師への
あの施設への
怨恨は

いつかの日か
わたしが骨壺に収まっても
この骨に
黒く、染みついていると思う。



わたしのような読書は稀有だろうか?

そうでもない気もするが・・・







誰だって、澄み切った悲しみで
親の死を悼みたい。



わたしだって、お葬式で
看護師から
「ナイフで刺してもいいよ」
なんて言われるような
そんな経験はしたくなかった!
そんな思い、味わいたくなかった!





作中の登場人物の
「奈緒子」って、なんなの?
心配は、自分の愛の飢餓感だけ?
糞みたいな女だな・・




あのさのあつこさん、
貴女は奈緒子を
珍しい人種のように
書いているけど


「愛の飢え」に食い尽くされ

言葉でも
身体でも
埋まらない隙間をかかえ

もがき
足掻き
続けている女なら

アメブロクの
「人に言えない恋愛」ジャンルを
見ただけでも
吐いて捨てるほどいますよ?

奈緒子なんて
もはやステレオタイプ!
スタンダード!
全然、珍しくないですよ?




わたしには
花屋の
バイトの
婆さんの死の方が
余程、しっくりきます。







貴女ほどの美文を以ってしても
家族を殺された遺族の心の傷は
全く救われないようです。



介護ミスで親を殺される・・・
そんな
心が抉られような体験。

今もまだ
瘡蓋が破れて鮮血が滲むような
そんな
経験をした者には
所詮、
小説など
嘘ごと・・・
本当に無力なのかもしれないですね