カレンダーをめくる手が少しく感じるのは、春の予感のせいだけではない。



私たちは今、乙女座の満月という「峻別」のあと、魚座の新月という「溶解」へ向かう、ミステリアスなグラデーションの中にいる。



 乙女座が教えてくれたのは


規律と秩序

そして

自分を磨き上げる

ストイックな美学








けれど、下弦の月へと欠けゆく今、宇宙は私たちにこう囁いている


「もう、完璧でなくてもいい」



 逆行する水星が仕掛ける、時間旅行というドレスアップ 


追い打ちをかけるように、知性の星・水星が魚座の海で気まぐれなステップを踏んでいる


メールの返信が滞り

スケジュールが予定通りに進まない


現代のビジネスパーソンにとって、それは悪夢かもしれない



けれど、この停滞を「贅沢な時間旅行」と捉えたい



魚座で逆行する水星は、私たちの理性を心地よく狂わせる



かつて愛した集を読み返し、引き出しの奥に眠っていた古い手紙に涙する



効率重視の日常では切り捨てられてしまう「無駄」の中にこそ、次なる自分へのヒントが隠されているのだ



 整理すべきは「モノ」ではなく「感情のノイズ」



 この下弦の月のフェーズで、私たちがすべきことは、クローゼットの整理だけではない



 乙女座的な「正しさ」で自分を裁くのをやめ、魚座的な「許し」を受け入れる準備をすること。



水星逆行がもたらすコミュニケーションのズレさえも 


言葉に頼りすぎていた自分への警告


だと微笑んで受け流したい



 (論理はあなたをAからZへ連れて行くが、想像力はあなたをどこへでも連れて行く)——アインシュタインの言葉は、今の私たちへの処方箋だ





 水星が再び前を向く頃、私たちは一回り大きな、そしてしなやかな自分に出会えるはず



 今はただ、欠けゆく月のリズムに身を委ね、あえて「迷子」になることを楽しんで



より一層美しさがみなぎる夜になりますように