　痔塚は、長久手合戦で戦死した人々を敵味方問わずまとめて弔った塚（合祀塚）で、「横地塚」と呼ばれていました。

　それが時代を経て、「腰から下の病気」に霊験があると称されるようになりました。　

在りし日の痔塚神社で、民家に隣接して建っていました。ところがある日見に行くと更地になり、この祠も行方不明になりました。

痔塚神社跡。写真中央の雑草が密集している場所に祠が建っていましたが、痕跡はありません。

痔塚は何処に消えたのか。

長らく行方を掴めませんでしたが、ある日、神明社境内に遷座しているとの情報を手に入れ、確認のため、見に行きました。

痔塚神社遷座先の神明社。元々水汲坂（現：香坂）に鎮座していましたが、後水尾天皇時代に現在地に遷座しました。

由緒には、花園天皇が奥三河猿投山中へ行幸する途中、この地に立ち寄り香流川の水を汲んだと書かれています。

付近はその頃から、行幸地に選定されるほど、安全で安心な土地だったのでしょうか。

情報の通り、本殿の隣に痔塚神社が鎮座していました。

祠の手前には痔塚説明板が建っていますが、嬉しいことに、「猪子石城」のことも少し書かれています。

欲を言えば、小牧長久手合戦の猪子石城攻防戦の説明板も設置してほしい。

以上

遷座した痔塚神社