だいぶ遅くなりましたが手術編書いておきます。


9時半に手術と言われていたけれど、9時に来てくださいと言われ、彼と共に手術室へ。
心細さでさぞ不安そうな顔を、私はしていたことだろう。
何だかきちんと言葉を交わせないまま、手術室へ押し流されてしまって不安倍増。

ガシャン!と閉まった鉄の扉を恨めしそうに見ていたら、出入りの為、一度ドアが開いた。
見ると彼がすかさず笑顔で手を振ってくれた。
あの時の嬉しさと言ったら。
スッと気持ちが楽になった。

台に寝かされ、まずは痛み止めを注入する為の管を背中に挿す。
かなり痛いとは聞いていた。

身体を丸めて針を迎え入れる。
どうしても身体が強張る。

『力を抜いてくださーい。』

出来ればそうしたいが。
針が入った瞬間はまだ良かった。
だが次の瞬間、想像を絶する痛みが走った。
とても重い、ズーンとした鈍い痛み。
思わず声が出る。
針を通して何かが体内に入ってきた感覚。
その後上向きになってと指示され、苦悶の表情で天井を見つめる。

次は麻酔。
ドラマなどでよく見る口に被せるアレだ。

『十まで数を数えてくださーい。一、ニ、三…』

か細い声で数を数える。
医師の声と顔がボンヤリとして次第に消えていった。
2回ほど十まで数えた辺りで記憶はない。


目を覚ましたら、真っ先に見えたのは心配そうに覗き込む彼の顔だった。
と同時に痛みを自覚した。
痛みと言うか、苦しいと言うか、違和感。

目を下に下ろすと、お腹に幾つものガーゼが当てられているのが見えた。

(あぁ…もう子宮はないのか…)

体感的な自覚はない。
取ったんだな、という事実による自覚。

目を覚ました私の腕を取り、半ば乱暴に血圧を計られた。
バッと胸をはだけ熱を計る。
朦朧としながら、正直雑だなと最初に思ったのはこの時。

看護師さんが出ていったあと、やっと彼と二人きりになり気を抜けた。

『凄く苦しそうだったから…』

と心配そうに、顔や頭を何度も撫でてくれてとても安らいだ。

今何時?と掠れた声で聞くと、午後の2時半頃だと言う。

「えっ!?手術はどれくらいだったの!?」

と聞くと3時間半くらいかかったそう。
せいぜい2時間と聞いていたから、かなり長引いたようだった。
手術が終わったあとも、しばらくは麻酔が効いて眠っていたらしい。
切れてきたせいか、寒くなって身体が震える。

とても驚いたのだが、手術後彼は取った子宮と筋腫を見せられたそう。
自分ですら見ていない自分の子宮を、彼が生で見たのかと思うと、何とも言えない複雑な気持ちになった。
さぞグロテスクであっただろうし…。

しばらく手を握り合って話していたが、入院の手続き関連で用事があったので、彼は帰らなければいけない。
本当はずっと側に居て欲しかったけれど、我儘は言えず。

『明日また来るね』

そう言って自分がしていたマフラーを置いていった。
彼が帰ったあと、マフラーを抱き締め泣いた…。