ついについに、「平成」最後の日となってしまいましたね。

思えば「昭和」の終焉は「号外」によって突然終わり、そして唐突に「平成」の時代がスタートしたのでした。

そういう意味では、今回の平成天皇の「勇退」は、非常に意義深いものであり、また平成天皇らしい国民生活に配慮をされた優れた決断によって、世の中も時代の変遷をしっかりと準備期間をもって迎えることとなりました。

平成元年はちょうどバブル期の終焉期で、翌年までバブルは持ちこたえましたが、平成3年にバブルは崩壊し、その後長い長い深い深い景気の低迷期に入っていきます。

ちょうど社会に出たばかりの我々の世代は、バブルの恩恵に授かることもなく、社会生活の大半の時期は先行きの見通せない暗黒の時代に生きてきました。

この間、社会構造も大きく変わり、終身雇用のような日本的経営はほんの一部の大企業のみが継承しているものの、右肩上がりの経済成長が約束された第二次大戦後の日本経済は、輸出依存の経済構造から内需拡大型への経済構造へのシフトを余儀なくされていきます。この頃景気がいく分上向きかけると決まって為替の円高誘導が起こり、経済構造の変革に誰もが苦しんだのが「平成」という時代であったと思います。

「平成」の時代は平和でよかったというテレビでのインタビューも聞きますが、確かに昭和の時代のような戦争はありませんでしたが、果たして平成の時代は平穏な時代だったのでしょうか。

個人的には、「先の見えない時代にもがき苦しんだ30年」=それが「平成」という時代だったような気がします。

阪神大震災は平成7年、東日本大震災は平成23年。致命的な地震災害も多かったように思います。

昭和の時代は63年間ですから、平成のちょうど2倍くらい。単純に比較はできないと思いますが、日本の世の中が決して良い方向に成熟していかなかったことは非常に残念でなりません。

平成の時代に特に記憶に残るのは、「平成天皇の人間性のすばらしさ」でしょうか。

意識の高さと崇高さ、そして日本国憲法の平和主義への強い決意が、その都度国民の指針となってきたと思います。

限りない心の広さと穏やかな人間性の中に、時として象徴の立場からの精一杯の、最大限の意思表示が、私たちの心に勇気を与えてくれたことを忘れることはないでしょう。

20才そこそこからのこの時代の30年間が、私自身の重要な人生時期の大部分でもありました。

いろいろ想うところはありますが、明日からの「令和」の時代は現皇太子がいよいよ天皇へ、とういうことで、気持ち的には応援せずにはいられません。

昭和→平成の移行期には、学生であった自分には何の社会的責任も感じませんでしたが、今回は多くの同世代の人間と共に新しい時代を明るい時代とするために、若い世代の明るい未来の為に少しでも頑張っていけたらと思います。

今日は亡き母の誕生日でもありますが、平成最後の今日という日を大切に過ごしたいと思います。