「負ける不安は、いつだってある。いや、負けることだけが不安なんじゃない。人の一生なんて、いつどうなるか分からない、不安だらけのものなんだよ。・・・・でもね、お父さんは一つだけ、それに打ち勝つ方法を、見つけたんだ」

「簡単なことさ。それが好きだっていう気持ちを、自分の中に確かめるんだよ。その好きだって気持ちと、勝負の不安を天秤にかけるんだ。・・・・不安の方が重かったら、それは、やめといた方がいい。まず勝てないし、負けたら、ものすごく後悔するからね。でも、好きだって気持ちの方が重かったら・・・・そのときはもう、やるしかないんだよ。負けたっていい。失敗したっていい。やるしかないんだ。だって、好きなんだから。お父さんは、新素材が好きだ。新しい素材を発見して、それが何に使えるか考えてると、ワクワクする。楽しくて仕方なくなる。だったら、やるしかないだろう。他の誰かに先を越されたら、また次のを見つければいい。そうやって、一つひとつ、不安を乗り越えていくしか、方法はないんだよ」

誉田哲也「武士道シックスティーン」を読んだ。高校生の瑞々しい友情を交えつつ、部活に全てをかける女の子2人の物語。がむしゃらに剣道に心血を注ぎながら、精神面の成長や、心や人との接し方の変化が表れていく様子がポップに描かれていて、非常に面白かった。
読み進める間、映画化にあたって主役を務めた成海璃子と北乃きいをあてがっていたが、もろハマり。
ただ映画を見るかどうかは迷う所。