それにしてもこのプログラムは難しい。
これまで多くの選手が演じてきた「ファントム」とは一線を画す
新しい世界観の「ファントム」で、開始から終わりまで流れるようなプログラム構成。
そして曲の要所要所にジャンプをはじめとするエレメンツが散りばめられていて、
すべての要素が振り付けの一部のよう。
それらがみな揃ってはじめて、
あっこちゃんとカメレンゴ先生の「ファントム」の世界観が伝わってくるという。
だからエレメンツがきちんと決まらないと、
このプログラムの世界観は観る者に伝わってきにくい。

ミュージカルで定着している「ファントム」のイメージをなぞっているのならば、
多少演技が破綻しても、そもそも観る側が既存のイメージを当てはめながら観ているので、
ある程度は伝わるのでしょうが、
新しい「ファントム」像は演じ手がそれを身を以て示さなければ
観る側に伝わってこないから・・・。

高難度のジャンプを組み込んだプログラムだけが
「難しいプログラム」でないのだと思わされます。
今回のあっこちゃんのフリーは、その難しいことをやってのけた
素晴らしい演技だったと思います。

でも、これはまだ「鈴木明子」の最高の演技ではないような気がします。
なぜなら映像で確かめた彼女は、中盤まではクリスティーヌ(アッコティーヌ)だったのに
終盤はあっこに他ならなかったから(笑)
スケートの神様だけでなく、音楽のそして踊りの神様に愛されている彼女なら
(私にはそう思えます)
4分間をあっこではなくクリスティーヌとして生き、滑ることができるはず。

そのためには彼女がブログに書いていたように、万全の準備が必要でしょう。
とても臆病で慎重そうな(あくまでも私見です)あっこちゃんは、
自身納得の行く準備ができてはじめて何の恐れも不安もなく、
インスピレーションのままに曲と一つになって滑り切ることが出来るのでしょうから。

そんな競技としてのフィギュアスケートをはるかに超える演技をオリンピックで見せられたら
長久保先生はきっと、織田君並みに大号泣でしょうね。(もちろん私たちも)。

先生はそういった姿を全世界に向けて披露するのを良しとしないでしょうが、
ダンディな先生のそんな姿を是非見てみたいです(笑)

先生の大泣きを目指して、頑張れあっこちゃん!