なにバカな事を言ってるの?
と、思った?  よね

でもね、これは私が実際に聞かれた言葉なんです
しかも、これを聞いてきたのは患者仲間


ちょうど2年前の今頃
術後3ヶ月で多発転移した私は
はじめての抗がん剤治療のために入院してた
4人部屋ののうちのひとり

彼女はいちばんの仲良しで
ご飯もいっしょ
彼女の家族とも仲良くなった程

彼女は当時まだ70歳
決して馬鹿じゃない
幼い頃に父を無くし
母に代わり弟たちの面倒を一手に見て
中卒で必死に働いてきて
嫁いで3人の子供達が落ち着いた頃
ご主人が脳梗塞の後遺症から
早くに施設に入り
ずっとお世話をしてきた

彼女は全然馬鹿じゃない
一生懸命生きてきただけ
必死に生きてきただけ

だんだん咳が酷くなってきて
話す合間に咳をするようになってきた頃
私に聞いた


ねぇ、肺がんって咳で感染るの?


愕然とした

そんなことも知らないで
この人は今
肺がんと闘っているんだ…


患者力、とか
ネット、とか
そんなことも
この人にとっては 
はるかかなたの
全く見えない、聞こえない
噂さえも聞こえてこない
そんな世界にいるんです


患者会だ
勉強会だ
講演会だ
学会だ
学ぶ機会はどんどん増えています

ただ、
それすらも届かない所に
まだまだ たっくさんの患者達が
居るに違いない

私達が普通に話すお薬の名前や
治療法すら
なんの事を話しているのかわからない
わからないから 近づかない
わからないから もう行かない

どれがインチキなのか
どれが親切で
どれがおせっかいなのか
そんな事も 考えた事も無い人達が
まだまだ
本当はたくさんいるんだ

この言葉が私に教えてくれました

どうしたら
そんな人たちと寄り添えて
どうしたら
言葉が通じ合うのか考えさせられた

私はそんな人達とこそ 話したいんだ

これは
私の原点になった言葉なんです


お空の上から彼女は笑ってるだろな
え〜、わかんないよ〜って



帰宅したらあった
かわいい♥