自分が物心ついた時から、父はハゲていた。
その頃父は30代後半だったと思う。
子供ながらに禿げてるなぁと思ったが、特に気にはしてなかった。

中学になり、親と行動するのが恥ずかしくなった。
自分の所属していた野球チームの夏合宿があり、
ボランティアコーチとして父親がくると聞きドン引き。
いつの間にそんな話し合いをコーチや監督としたのか、野球経験も聞いたことがなかった父が、合宿に参加することに猛反対した。

父がハゲていることをネタにチームメイトにバカにされると思ってたから、思春期の自分は嫌悪感しかなかったのだ。

猛反対する子を思ってか、父は結局参加しなかった。

思えば、あのときからハゲに対する周囲の目みたいなものを気にする自分がいたのだ。

高校や浪人生の頃は、大いに髪で遊んだ。
ブリーチで真っ白にしたり、ツイストスパイラルでカッパみたいな頭にしたり。

その頃から、生え際や全体的な髪の量を気にするようになった。ハゲてないけど、いつかは父のようになるのではと。

遺伝でどうせハゲるやろと思いながらも髪で散々遊び散らした割に、20年間何のケアもしてこなかったツケがいまきたのだ。