INDIGO DREAMING -17ページ目

コレラの時代の愛

「僕のお気に入りの本を君に贈るよ。素晴らしい愛の物語だから」

そう言われて贈られた本が南米の巨匠ガルシア・マルケス作の「Love in the Time of Cholera(コレラの時代の愛)」である
著者: Gabriel Garcia Marquez, E. Grossman
タイトル: Love in the Time of Cholera

ぺらぺらとページをめくっただけで目眩がしてきた
彼の愛に酔ったからではない
活字に酔ったのだ

これを英語で読む自信はなかった
すかさず邦訳版を探しに出かけたことは言うまでもない

ところが・・・ない

百年の孤独」とともにこのノーベル賞作家の代表作といわれる本作品の邦訳版が出ていないとは・・・

フィネガンズ・ウェイク」まで出している日本翻訳界の七不思議の一つだと言いたい


結婚を前にして彼が捧げる「愛の物語」の内容を知るには


がんばって読むしかない・・・!!!

「ねぇ、これ、わからない単語がいっぱいで難しすぎるよ~」

「僕が読むの手伝ってあげるから。わからないところ聞いて」

彼ったらこんな調子のいいこと言っといて、聞いた単語の半分も説明できないのである
おまけにスペイン語いっぱい混じってるし・・・

この本は彼の「愛」じゃなくて「愛のムチ」の間違いではなかろうか?

そう思いつつ読み終えたのは2年後だった
(途中で挫折して1年くらい放置してた)

それは一人の女に一生を捧げることを誓った男の話だった
その女が別の男と結婚してもずっと彼女を見守り続けたストーカーもどきの変人男
執念の愛といおうか
あきらめの悪い男といおうか
でも最後の最後に彼の愛は報われるのだ

受け止めるにはちょっと重すぎるほどの愛だった
彼とこの男をつい重ねて見てしまい(ぜんぜん違うのだが・・)
息苦しくなってちょっと引いた

でも読み終えた時には、もう結婚しちゃってた




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愛とは何ぞや

私の夫が作詞作曲した歌の一節を紹介しよう
(原文は英語)
 
 愛(Love)は幸せをもたらすけれど
 恋(Infatuation)は痛みばかりをもたらす
 
 
一理あるね
 
ところで昨日、小泉首相が「愛する」という表現は「偽物くさい」と発言していた
 
昔の日本のことば(っていっても漢語だけど)に置き換えると
Loveにあたるのが「慈」で
Infatuationにあたるのが「情」かなあ
 
 
「愛」を語るという文化がほとんどなかった日本で、
これだけ「愛」という文字が安易に使われ氾濫してしまったのだから
年配の人が偽物くさいと感じるのも無理はない
 
実際、今の世の中は偽りの愛や正義を振りかざす者(国)だらけ
でも、だからこそ、今、本当の愛の意味を考えなおしてみることが
大切なんだと思う
 
 
愛とは何かを語った歌は多いけれど
私が真っ先に思い浮かべる歌は
ジョン・レノンの「LOVE」だろうか
 
 
私も調子に乗って作詞してみる
 
 真実の愛とは
 与えた後で
 幸せな気分にさせてくれるもの
 
    偽りの愛とは
        与えた後で
               見返りを期待してしまうもの

グレちゃんからの意外な贈り物

夫の友達のグレちゃんは音響エンジニア
超多忙なグレちゃんはいつもコンサート・ツアーで各地を転々としているので友人が少ない
彼の結婚式に10年も音沙汰なしだった私の夫(私は初対面)が数少ない友人として招ばれたくらいだ

ところで、うちの夫も友人が少ない(ように見える)
友人がみな仕事や家庭で忙しくてかまってくれないのだ

今では二人の子持ちのグレちゃんとも、会うのは一年に一回くらい
グレちゃんは会うたびにいつも仕事で疲れ果ててるように見える

そんなグレちゃんが地元でコンサートの仕事がある時、無料チケットを手配してくれた
グレちゃんが担当するエリック・ビブというブルース・シンガーのコンサート

エリックのあたたかい人柄が感じられるアット・ホームな雰囲気のコンサートが終わり、出口に向かって歩いている途中、突然聞き慣れたサウンドが耳に入ってきた

「あっ! あんたの曲!」

夫はギター仲間のグレちゃんのお兄さんと話を始めている。

夫の袖を引っ張って「ちょっと、ちょっと あんたの曲だよ!」と教える

「えっ? 何言ってるの?」(不審そうな顔)

「あんたの曲が流れてるってば・・・」(まだイントロ中)

「えっ? どこで?」(大ボケ)

「だから~、今この場所でだってばぁ!」(上を指す)

歌の部分が始まるに至って「あっ、僕の歌だ」とやっと気づいた(しっかりしてくれ)

「僕の歌が流れてるよ!」と興奮しだす彼(だから1分も前からだって)

プロの見地からサウンド・アドバイスが欲しくて先日渡してあったデモCDをグレちゃんがかけてくれていたのだ

コンサート会場に響き渡る彼の曲

グレちゃんの優しさが心にしみる

ありがとう、グレちゃん

それにしても・・・

イントロが始まった瞬間にわかるなんてすごいなーって彼から尊敬されてしまった私

そりゃー昔イントロクイズは好きだったけどさー

外国人があの番組みて日本人の特技に度肝を抜かされたという話は聞いてたけどさー

自分の作った曲くらい・・・・早く気づけよ
アーティスト: Eric Bibb
タイトル: Home to Me

ベッドに運ばれた彼のスペシャル朝食

この国に来てまだまもない頃、夫が「誕生プレゼントに何が欲しい?」と聞くので

「手始めにベッドに運んで来てもらうスペシャル朝食ってのをまず一度体験してみたいわ~

それそれ、お願い!」

と答えたことがある

もちろん、私が頭に思い浮かべていたスペシャル朝食とは

トースト、オムレツ、ソーセージ、フルーツヨーグルト、オレンジジュースにロイヤルミルクティー

みたいな感じだった

まあ、でも誕生日は平日だし早起きしてゆっくり朝食ってのも大変だからそれは週末でもかまわないよ、

と言っておいた

さて、誕生日当日の朝

彼が私よりちょっとだけ早く起きたかなっと思ったら

「HAPPY BIRTHDAY!  スペシャル・ブレックファーストだよ!」

とベッドに朝食を運んで来てくれた。

ちょっと持ってくるの早すぎない???

見るとプレートに乗っていたものは・・・・

地中海風アンティパスト(前菜)の盛り合わせ

レモンライスのブドウの葉包み(ドルマデス)だとか魚のマリネとか
ガーリック風味のマッシュルームとかオリーブとかがお上品にのっていた。

真冬の朝に冷蔵庫から出したばっかりの冷製アンティパスト

低血圧の万年冷え性女が冬の朝に食べたいと思う朝食ではない・・・

いや、誰だってこれから会社に出かける前にガーリック風味の前菜を朝食にしたいと思う人はいないはず・・・

でも、彼、ジョークじゃなくて、本気

私が喜んでくれると思ってデリカテッセンで奮発して買って来たのだ・・・

「どう? 美味しい? 嬉しい?」

って言われても・・・

嬉しいよ (夜だったら)  美味しいよ(こんなに冷たくなかったら)

朝の7時半に冷製ドルマデスと格闘しながら

今度からちゃんと朝食の内容まで指定しようと心に決めたのだった

著者: 小林 幸司, 山田 宏巳, 日高 良実
タイトル: アンティパスト―イタリア料理アイデア集


ヤバいよ 鬱

昨日しばらく会ってなかったゲイのデビちゃんから電話がかかってきた
日本人の彼氏がいるデビちゃんは最近ちょっと健康を害して治療中

「どう、その後の調子は?」

「うん、相変わらずまだ療養中なんだ。仕事探してはいるんだけどなかなか見つからなくて・・・ ちょっとうつ気味になっちゃってる・・・」

あらまあ、私もずっとだよっと言いかけたけど、まあデビちゃんの話を聞いてあげなきゃね、と思って当たりさわりのない話をして夫に受話器を渡した。

夫の会話を何気なく聞いてると あれれれれ?

「僕もちょっと軽いうつ気味状態が続いてるんだ・・ 
・・
うん、こんなに売れないと世間から拒絶されたような気になるっていうかさ・・・・
・・
今年は今までの中で最低の会計年度だよ・・・ 虚しくなってくるよ」

なんてことを漏らしてる

どひゃーん
彼もうつだったなんて今まで知らなかったぜ 

それとも私のうつがうつった??? (ここまできてオヤジギャグか?)


デビちゃんを励ます立場の彼が、デビちゃんに告白しちゃってるじゃん

そうなんだよな

毎朝毎朝「会社行きたくね~」と言ってベッドでぐすぐずしている妻(単にインターネット夜更かしで寝不足のせいという説もあるが・・・)を叩き起こし、朝御飯を用意して駅まで送迎するウルトラスーパー主夫に、私は頼りすぎて甘えていたね。

収入がすっかり途絶えて風前のともしびの自尊心をふるわせているのは彼本人

熱意もわかない仕事を惰性で続けながらも毎月ちゃんと給料袋をもらってこれる私との比ではない(ところで明日は給料日だ!わーい!)

そう、私はまだ恵まれているのだよ

これからは彼の前でなるべく泣き言をいわないようにしよう

「ねーぇ、私ってさ、やっぱりあんたにはもったいない女だと思わない?」

って言う口癖もしばらくやめてみることにしよう (おめぇ、ほんとにうつか?)

ちゃんとご飯の後で

「おいしかったわ、ごちそうさま~。やっぱり愛がこもってる料理って最高!」

って言ってみることにしよう(あっ 歯がういてきた)

それとも

「今日も一日ありがとう。お風呂わかして一緒に入ろうか~」

と誘ってみようかな。ひっひっひ 明日は雪かな

著者: フレデリック・F. フラック, Frederic F. Flach, 斎藤 茂太
タイトル: ようこそ鬱へ―知られざるそのパワー

ビッチー対処法 - キュルカシャ攻撃

このブログを前から読んで来た方にはもうお見通しだが

私は口が悪い

なんといってもビッチーだから

夫の都合も考えずに

ねぇ、ちょっとあんたー! うるさーい

といきなり切り込んだりする自分勝手な女である。

そういう時、彼はそばにあったテープレコーダーをおもむろに巻き戻し

ねぇ、ちょっとあんたー! うるさーい」キュルキュルキュル~ カシャッ
ねぇ、ちょっとあんたー! うるさーい」キュルキュルキュル~ カシャッ
ねぇ、ちょっとあんたー! うるさーい」キュルキュルキュル~ カシャッ
ねぇ、ちょっとあんたー! うるさーい」キュルキュルキュル~ カシャッ
ねぇ、ちょっとあんたー! うるさーい」キュルキュルキュル~ カシャッ

としつこいほどに連続再生する

穴があったら入りたい

という気分に十分させてくれる無言の逆襲

うるさーい」キュルッ カシャッ
うるさーい」キュルッ カシャッ
うるさーい」キュルッ カシャッ (このあたりまで来ると彼が半分楽しんでいるのがわかる)

もういいって、わかったよ

音楽録音中とは知らずにあんたの邪魔をした私が悪うござんした・・・

でもギターの練習中に録音する時は前もって言っておいて欲しいものだ

その他にも

「ニャンニャニャンニャニャーン」と突然鼻歌を謳いだしたり
トイレで思いっきり水を流して「あ~、すっきりした~」などといった言動が

キュルッカシャッ攻撃を受けている

 ニャンニャニャンニャニャーン」「ニャンニャニャンニャニャーン」「ニャンニャニャンニャニャーン
 ジャー あ~、すっきりした~」「ジャー あ~、すっきりした~ジャー あ~、すっきりした~」 フェイドアウト 

いやー、自分の言動って

恥ずかしいね
著者: シェリー・アーゴフ, 高橋 朋子
タイトル: Love Bitch!

結婚初夜の出来事

市役所に結婚届けを出した日は、結婚式をしないかわりに私の家族と料亭旅館に泊まった。
夕食は会席料理をいただき、お酒をとって三三九度もどきをした。
父が写真を撮ってくれている前で、誓いのキスをしようとする彼
とっさに顔をこわばらせてキスを避ける私が写真に残っている・・・

結婚初夜といっても家族と一緒のお泊まりなので、二人だけのようには振る舞えない
おとなしい一夜を過ごし、何事もなく朝を迎えた



はずだったのに・・・

起きて顔を洗ってコンタクトレンズをつけようとすると・・・

ない、片方のコンタクトレンズが・・・

実はうっかりコンタクトレンズ・ケースを家に忘れてきてしまった私
しょうがないから洗面所に備え付けてあったガラスコップ2つに分けて入れておいたのだ。
家族にもちゃんと言っておいたのに・・・

犯人は・・・?

そう、夜中にトイレに起きた時に、洗面所で水を飲んだらしい夫

「ごめん・・・もしかしたら・・飲んじゃったかも・・・」

「そんなぁ、ここにコンタクトレンズ入ってるからって言っといたよね~
私のレンズ本当にに飲んじゃったの?」

「はっきりはわからないけど・・寝ぼけてたから・・・・」

「だって、ハードコンタクトレンズだよ。口の中に異物感なかったの?」

「んー、でも一気に飲んじゃったし・・・」

こうやって私の2万円のレンズはその晩のお酒と会席料理とともに彼の胃腸を通ってはるか彼方へ消えてしまった。

そして翌日の新婚旅行(っていっても温泉一泊だけど)へは眼鏡で旅立つハメになったのだった。
著者: 林 真理子
タイトル: 初夜

不況を呼ぶ女?

私には彼にも打ち明けていないジンクスがある。
実は私って嵐を呼ぶ、じゃなくて不況を呼ぶ女かもしれないってこと。

私が生まれて3才まで育った市。
私が去った後、どんどん人口が減って全国一人口の少ない市になってしまった。

幼稚園から高校卒業までいた市。
私が去った後、どんどん人口が減って全国一過疎化率の高い市になってしまった。

偶然の重なりにしてはちょっとイヤだなあ、とこの辺りで薄々感じてはいたのだが
大学時代に過ごしたこのファッショナブルな市が影響を受けることはないだろうと思っていたのに・・・
私が去った後、大地震に見舞われてしまった。

大学卒業後、東京で働いていた時にバブル崩壊
臨海副都心計画もお流れ。
私が投資していたワラント債も紙切れになってしまった。

私が去った後、勤務していた会社が倒産した。
なんかどんどんスケールがでかくなっていくなぁ

私が日本を去った後、日本はずーっと不況のまま。

私がNYで乗り換えした一週間後、テロでツインタワーが崩れた。
利用していたユナイテッド航空がその後すぐに破産に追い込まれた。

今、勤めている会社、合併後のリストラがじわじわとせまっている。

うちの夫。ぜんぜん売れてない。

私って、もしかしてさげまん 
著者: 宅森 昭吉
タイトル: ジンクスで読む日本経済

夫婦箸

うちの夫は私よりも箸の使い方がうまい

(私は箸も鉛筆も習字の筆と同じ持ち方なのだ)

それなのにわがままをいう

日本で買って来たすべり止め付きの竹製の夫婦箸(普段用)

妻用の赤マークつきの短い箸の方が使いやすいからといってマイ・チョップスティック宣言をされてしまった

しょうがないからご主人様の私めが青マークの長い方の箸を使うハメになる

でも納得がいかない

私の方が使い方下手なのになんで?

ある日、私がたまに料理した時、黙って夫用の箸を彼に出してみた

気がつかないで食べ始める夫  

しめしめ

と思ってたら1分も経たないうちに

「ちがうっ、これ、僕のじゃないよ!」

すかさず箸をとりかえる彼

そこまで妻役に徹したいのかよ

箸まで入れ替わっている我が家・・・・・もう知らん



著者: 子育ちWAO!生活向上委員会
タイトル: お箸をちゃんと持てる子は頭がよくなる―手と指は「第二の脳」である!

夫婦だけのピジン語

夫は日本語もそこそこ話せるので

「家では何語でしゃべってるの?」

とよく聞かれる。


答えは

「ちゃんぽん」


言語学的に言えば、それは夫婦間で長年培われてきたピジン語である。


なんでこんなことになってしまったのか?


話せば長くなるのだが、要するにお互いにとって楽なほうへ楽なほうへと流されてしまった結果である。


第三者が私たちの会話を聞くと時々ついて来れない。


英語の中にいきなり日本語の動詞が-ingや-edなどの活用形で登場してしまうからだ。

ちょっとどいて、you're Jamma(ジャマ)-ring!(ちゃんとr-化までしている)

ってな具合である。


こーんないい加減な私たち夫婦間のピジン語にも応用言語学的見地からすればちゃんとした法則が存在するのだ。

すなわち

1.同一の意味の単語が二つある場合、言いやすい方が優先される。
(日本でだって「チリ紙とって」っていうより「ティッシュとって」って言うほうがラク)

2.その言語にしかないようなどんぴしゃりの便利な表現は例え違う言語でしゃべってる最中でも優先使用される。
(「That's もったいない!」とか 「あんた、アノイよ(You're annoying!)」など)

3.公衆の面前で言うのがはばかられるような単語(特にシモネタ系)はカムフラージュのため必殺改造変形されて使用される。
(ちょっと例を書くのはやめとく・・・)

4.相手が理解するようになると、きちんと発音するための努力をしなくなる。よって発音はどんどん劣化していく
(私の場合 What? という時いちいち「ホワット?」などと言わずに「わ?」になる)


この夫婦間のピジン語使用は怠け者にはとっても居心地がいいのだが、

双方の言語能力が著しく退化していくという恐るべき性質があるので他人にはおすすめできない。

いや、この変な習慣、つくづく止めたいとは思ってるのだ。

どこかのブログで読んだが曜日ごとに話す言葉を切り替えるカップルがいるそうだ。

「よし、週末は日本語オンリーね!」

と意気込んだがダメだった。もう後戻りはできない・・・

もう海外生活も8年目になるのに、いまだに注文しても一度で聞き取れてもらえないことがある。

「職場ではみんな私の言ってることちゃんとわかるのに何故?」

それは私の英語が上達したからではなくて、周りの同僚が私の英語に慣れてきたからだ

と最近自覚するようになってきた。


何年海外に住んでも英語の上達しない日本人。

それは私のこと。


著者: 村上 雅人
タイトル: 日本人英語で大丈夫―たった2つ直せば