なんのためにするのか? | 雷人の部屋

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催眠・潜在意識から見たココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

 

僕の中で「良いマジック」と「悪いマジック」を分ける基準というのがあって、

それは何かというと、

 

「何のためにそれをやるのか?」

 

ということがはっきりしていることである。

マジック界の巨人、Max Mavenはもっとわかりやすく、

 

①Who are you ?(何者なのか?)

②What are you doing ?(何をしているのか?)

③So what ?(意味があるのか?)

 

の3つに分類している。

 

僕が得意にしていた鳩出しのマジックをやめたのは、①と③に自分が納得のいく

説明ができなかったからだ。

つまり何で自分が鳩を出さなきゃいけないのか、また鳩を出すことにどんな意味があるのか、

こじつけ以上の説明をすることができなかったからだ。

そんなものでは、観客の心を動かすことができない。

だからやめた。

 

先年他界したマジック界の哲人Eugene Burgerも似たようなことを言っていて、

 

「トリックとは自分の思想や信念を表現するための手段である。その表現がマジックなのだ」

 

と。

その思想を表現する話題になるまでは、マジックをするな、とさえ言っている。

例えばシンクロニシティの話題になったとき、現象を再現するために一致現象のマジックを

する、というように。

 

またNelmsは『Magic and Showmanship』(リンク先日本語訳)の中でこう言っている。

 

「あなたが(何もないはずの)相手のジャケットのポケットからサンドイッチを取り出したら、

 びっくりさせることはできるかもしれないけど、感銘を与えることはできないでしょう。

 しかし相手が『お腹がすいた』と言ったときにそれをやれば、第1級のイリュージョンとして

 相手に強い印象を残すことができます」

 

ちなみにメンタリズムとかメンタルマジックというのは、この理由づけが比較的やりやすいのだと

思う。

だから他の分野のマジックに比べて強い印象を残せるのだろう。

 

理由を持つことは力を持つ。

それは相手だけでなく、自分に対してもだ。

 

催眠術を習いにくる人もたくさん見てきたが、上達が早いのは漠然と

「催眠術できたらいいな」

という人よりも、

「身内の病気を治したい」

とか

「ナンパで使って女を騙したい」

という強い理由を持った人なのだ(事の善悪は別として)。

 

昔に比べると、レパートリーが随分と減ってしまったが、

理由があるアクトをしているという点では妥協していないので、

お客様のリアクションもだいぶ違ってきたし、

自分としてもやりがいがあるものになっている。

 

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