フロー体験inバンコク | 雷人の部屋

雷人の部屋

催眠・潜在意識から見たココロとカラダ、ときどきタマシイの話。

タイのゴーゴーバーというところは男が女をカネで買うところだから、踊っている女性が媚を売ってくることはあっても、基本運命は自分の手にないので、ほとんど全員がどこか無気力である。

昔ストリップを見にいったことがあるが、お客の目当てが自分たちの「あそこ」だとわかっていたとしても自分の芸に誇りを持っていて、そうした「心の張り」が伝わってきて、アートとして、またエンターテイメントとして楽しめた覚えがある。

自己弁明みたいに聞こえるが、僕は決して女を買おうと思ってゴーゴーバーに行ったのではない。
ただ行ったことがないので見に行きたいという好奇心で行っただけなのだ、いや、ホント(笑)
それにしたって例え性欲満載の状態で行ったとしても、あんな無気力な姿を見せられれば萎えてしまうだろう。

そんな中で一人だけ様子が違う子がいた。
やる気がないといえばやる気がないのだが、全身が調和していて、飛び抜けて美人だったりナイスボディってわけではないのに、目がいってしまう。
気になったので呼んで話をしてみた。

 

「君はダンスを習ったことがあるのか? 他の子と踊る様子が違うんだけど」
「ダンスを習ったことはないよ。私は音楽に合わせて動きたいように動いている。ただそれだけ」

 

それを聞いたとき、何かが自分の中で変わった。
上手くいえないが、存在の質が確かに変化したのだ。

 

翌日別のゴーゴーバーに出かけた。
ここでも女の子たちは無気力に踊っている。
人が人を買うという、カネだけで繋がった関係。
なぜかわからないけど、そのときにそんなものをぶち壊したいと思った。
この場にいる全員が笑っていい気分でいられるようにしたかった。

そこから先は打算や計画などない。
ただその瞬間にやりたいと思ったことをやった。
女の子たちにテキーラを飲ませる。
自分も飲む。
男性スタッフも呼んで一緒に飲む。
一緒に踊る。
ふざけてこちらの服を脱がしにかかったので、自分から脱いでやる。
 

 

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お立ち台に誘われたので、その上でブレイクダンスをする。
オーナーの息子も脱いで踊る。
おそらくその晩はバンコクで一番盛り上がった場所になったであろう。

考えてみれば無茶苦茶である。
相手の商売の邪魔をしているのだから。と、普段の自分ならそんなことを考えて遠慮しただろう。
だがその晩の自分はただ動いていた。自分の望みの赴くままに。
もっとも原始的なダンス。前の晩に聞いたことが身体でわかったのだ。

終わってみれば、踊り子さんは言うに及ばず、オーナー夫妻からウエイトレス、お客さんまで大喜び。
翌日に顔だしてみればVIP待遇で迎えてくれた。

(ホントは写真もNGなんだけど、向こうから撮ってくれた)

これがいわゆる「フロー状態」というものなのだろう。