こんにちは。あとめでぃの澤田です。

私は、最近まで看護師として病院で勤務しておりました。
今回は看護師として働いていた経験を通じて病院にアートがあったらということをお話しできればと思います。

その前に、私の背景から少しお話させてください。

私は小さい時から美術が大好きでした。
絵心はないにせよ、絵を描く事や見る事感じる事が大好きでした。
家族は全く興味がないので、一人で美術館に行き、絵画に触れていました。
音楽も好きで吹奏楽部所属。歌って踊るのが好き。歌は大声で歌います。映画が特に好きでさらっと2時間くらいは映画についてしゃべれます。

もう一つ忘れてはいけないのは健康です。
医療家族に育ったこともあり、自然な流れといえばそうですが、「生きるってすごいな」ってなんとなく小さい時から思っていました。その後も様々な経験と通じて命を支えるということの大切さを知りました。なので、高校の先に求めたのは「看護」でした。


この2つの世界を

少しだけでも近づけたい。


それが私の考えている事です。
病院という箱にアートが必要な理由は十分にほかの人が語ってくれそうなので、私しか語れない事だと思うことをお話ししようと思います。

それは「(病院にいる)スタッフにアートがあったら」です。

看護師はその多くが「患者さんを支えたい」という思いをベースに持っています。その気持ちを持っていない人を私は見たことがありません。みんな、様々な経験・理由から病気を持った人の支えになりたいと選んで看護師を目指します。一緒に学んでいたし、自分もそうなのでよくわかりますがこの気持ちにはとても強いものがあります。
それでも、新卒で実際に病院で働き始めると「時間がない」「十分にかかわれない」といった経験をします。実習の時はもちろん1人を受け持つので、他愛もない話ができたり、寄り添っていたいだけ寄り添う事ができます。

しかし、国家試験に合格して就職したあとは仕事としてそれを行っていく必要があります。それは時間の制約や周囲の事・自分の生活など様々な事を考慮に入れないといけません。私の知り合いでも多くの新卒看護師が「思うように関われない」「時間が欲しい」「何時間あっても足りない」など患者さんへのかかわり方について悩んでいました(現在も)。
大学で丁寧にノンバーバルコミュニケーションについて学んでいる私たちには患者さん(時には家族)の気になる行動・言葉尻・表情に気づきます。
そして、それに対処することを望んでいます。それが看護なので。
しかし、それに対処する時間が今の現場には中々ないのではないでしょうか。
私はこの問題の解決策をアートに見ています。私の考えるアートは何でも含みます。絵を見たり書いたりすることも、歌を歌う・聞く事も写真を撮ったりすることもです。アート(芸術)って難しいと思うかもしれませんが、皆さんには1つはこの曲を聴いて元気が出たという経験はないでしょうか。うまく説明ができなくて申し訳ないのですが、そういう事なのです。アートの活動の影響とは、人の心に直接作用できます。すっと入ってきて、何らかの影響を与えます。私は感化されやすいタイプなので、色んな曲や絵・映画に感動し、引きづります。
 
この直接心にすっと入っていく感じ。

これって看護の理想と一緒なのでは?と思うのです。悩んでいること・本当は口に出したい事たくさんある中で、寄り添い支えるためにこのアートの影響と似たような事を看護師は理想としているのではないでしょうか。



実践例を1つ。
入院したての子どもには看護師に触れさせてもくれない子もいます。その中で何か1つその子の持っているおもちゃで遊ぶ事を導入にして関わっていくと上手くいくのです。緊急の時はもちろん対応は違ってきますが、なるべく子供の好きなものやおもちゃを導入として使い、歌ったり、一緒に遊んだりしながら状態を観察するという事を意識的にしていました。小児科の看護師の方ならこんなの当たり前と思うと思います。
でもこれこそ私はアートの力だと思っています。これを私は勝手にシアター導入と呼んでいました。演劇(play)を通じて子供の心のバリアを小さくする。ここには何かアートの力が働いているのだと思うのです。
こう思うと、アートが必要だ!ではなく、いつも医療従事者が行っている配慮や心遣い。それがアートだと思います。それをより効果的にするために、使う側がアートであるという意識を持つことが必要だと考えます。

これは夢なのかもしれませんが、医師や看護師がこういった事をもっとうまく使えるようになったら、患者さんや家族だけではなくスタッフ自身にもよい影響を生むのではないかと思うのです。私はこの力をアートの中に見ています。具体的にどうするべきか何が効果があるのかはこれから私が学び、確かめていくつもりですが、そう考えると病院が少し今よりも明るい場所に見えてきませんか。

注)私も未熟なのでもうそういった理論があるよ。これは違うよという事があるかもしれません。教えて頂けると大変助かります。

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