ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下、DID)を知っていますか?
おもしろそうなので記事を紹介します。
■■■もしも、暗闇で婚活したら?
DIDとは、暗闇を体感するソーシャルエンタテインメント。いくら目をこらしても何も見えない、本物の真っ暗闇の中に6~8人一組になって入場して、視覚障害者のアテンドのもと、室内の中に設置された森や林や川などの自然の中をみんなで体験するというもの。ドイツの哲学者が考案して以来、ヨーロッパを中心に人気を博し、ちょうど10年前に日本でもNPO法人として活動が始まった。
私がDIDを初めて体験したのは昨年の秋のこと。親しい編集者に、「とにかく言葉じゃ表せないから、ぜひ体験して欲しい」と興奮気味に誘われて体験して以来、すっかり夢中に。
「DIDは、恋愛に効く!」と直感的に感じた。
なぜ、恋愛に効くのか、詳しくは後述するとして ――。何も見えない暗闇の中では、他人の見方はもちろん、自分に対する見方もかわる。人とのコミュニケーションが自然と深まって行く。
それが、恋愛にはどんな化学反応をもたらすのかに興味があった。
もしも、真っ暗闇の中にいたら、そこで目が見えなかったら――
好きになる人は、選ぶ恋人は変わるんだろうか?
育む恋愛の形は変化するのかな?
そんな事を考えていた折に、なんと、「婚活 イン・ザ・ダーク」(略して、kids)なるイベントが開かれることに!
■■■顔を見ない方が仲良くなれる不思議
婚活イン・ザ・ダークの内容は、見知らぬ男女が男4女4の計8名づつで10チームに分かれ、時間差で暗闇を体験するというもの。
その後に地上に出てきてチームごとに懇親会を行い、最後にカップリングを行う。
記念すべき第一回目の参加者は、男女計80名。参加者は事前に行われた100問アンケートに応え、その回答をもとに、相性を見て、カップリングが成立しやすいようにチームを組んだらしい。
私は、ラスト近くの組に参加。まずは、明かりのもとでメンバーが集まり、軽く顔を見合わせただけで、さっそくスタート。完全な暗闇に入る前に、まずは薄闇スペースで視覚障害者であるアテンドに出会い、それぞれが簡単な自己紹介をする。
暗闇の中では容姿も、肩書も、年齢すらも意味がなくなるから、大仰な自己紹介は必要ない。
本名ではなく、それぞれ、自分が呼んで欲しいアダ名だけを告げる。
みんなテレながらも、小学校くらいの時に呼ばれていたであろう、ちょっと可愛いアダ名を名乗りだすのが面白い。(ちなみに私の下の名前は、芳麗=ヨシレイなので、“レイちゃん”と呼んでもらいました)
この時点で、すでに、みんなの顔すらも忘れ気味なのに、声とあだ名だけで全員を判別できるのか――。
最初は心配していたけれど、不思議なことに、暗闇に入ると倍速で覚えてしまった。
■■■目には見えない個性が見えてくる
一歩、闇に足を踏み入れると、とてもひとりでは歩けない。
暗闇のスペシャリストであるアテンドや、そばにいるメンバーに頼るしか進む術がなくなる。
何度も互いのアダ名を呼び合いながら、触れ合いながら(自然と手をつないでしまう!)進むから、おのずとお互いの存在を覚えてしまう。
闇の中に広がる大自然をみんなで探検していく。最初は川にかかる丸太の橋を渡ることすら及び腰。そばに居る人と手をつなぎ、声をかけあって歩く。
すると、ひたすら怖いだけだった暗闇が何だか面白くなっていく。
いたるところから小鳥や虫の鳴く声が聞こえるようになる。
木の葉の匂い、頬をなでる風の感触が気持ちよくて、開放的な気持ちになっていく。
みんなで“花いちもんめ”をしたり、日本家屋の中に忍び込んでミカンをわけあって食べたり、暗闇の中にあるBarでヴァイオリンを聴きながらワインを飲んだり……。
さまざまなアトラクションを楽しみ、いろんなことを発見していくうちに、全員の声とアダ名の判別はもちろん、目には見えない、その人の個性が自分なりに理解できるようになる。
これが、何とも不思議なことに――。
■■■視覚以外の五感で“好きな人”を見極める
暗闇の中での反応は、本当に十人十色、人それぞれだ。ものすごく怖がって、子犬のようにずっと誰かにしがみついて歩いている女子もいれば、妙にテンションがあがって飛び回っている女子もいる(私)
男性もそれぞれ。後ろから見守るようについてきてくれる人もいれば、とにかく先頭をきって歩いていく開拓者タイプ、途中で消えてたマイペースくんもいた。
たぶん、暗闇の中で自然と出てくる顔は、その人の素顔に近い?! 肩書も立場もなかった、子供の頃の顔に近いんじゃないかと感じた。臆病な子もわがままな子もマイペースな子もいるけれど、みんな素直で何だか可愛く感じられる。
顔や姿が見えない分、相手の気配や感触や匂い(香水はNGなので、本人の匂い)も敏感に感じ取れる。朴訥として優しい気配を持つ男の人もいれば、実際の体の大きさより、暗闇の中ではずっと大きくて力強い気配を漂わせている男性もいた。
触れた感触も人それぞれ。最初は、助けを求めて夢中でいろんな人の手をとっていたけれど、そのうち、その手の感触から伝わってくるものの違いに気付く。汗ばんだ手でギュッとつかむようにつなぐ人も、長い指だけを使って優しくつなぐ人もいる。
自分にとって、無意識のうちに安心感を与えてくれる気配や温度の人っていうのは、いる。触れていて違和感のない人や、思わず近寄りたくなる匂いの人はたしかにいるものだと思う。暗闇の中では、それが速く正確に見極められるような気がした。
人の匂いや感触や気配など、視覚だけじゃない、五感全体で感じ取れるものって、恋愛する上では、とても大切なこと(特に女は敏感!)
暗闇の恋愛効果は、もちろん、五感で自分の好きを感じ取れるだけじゃない。一緒に冒険することで人間性が見えてきたり、自然に関係が深まる効用も大きい。別な組に参加した私の男友だちは、「暗闇の中でで一緒にドキドキ体験をことで恋が生まれやすくなる“つり橋効果”も大きいと思う」と。
たしかに、それもある! 見知らぬ男女7人が世界中を旅する……あの人気番組『あいのり』的なところもあるのかも。
長いようで、あっという間の暗闇ツアーを経て、地上に出ると、今度は、互いの顔が見える場所で懇親会がはじまった。
暗闇婚活。恋愛が生まれたかどうは、後篇でお伝えします。
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