人工芝は手入れが楽で一年中きれいな景観を保てる反面、「夏は熱くて危ないのでは?」「子どもやペットがやけどしない?」という不安の声も少なくありません。

 

特に近年は猛暑日が増え、屋外の舗装面や遊具が高温になる事例も多く報告されています。

 

夏の人工芝は本当に熱いのか、対策はあるのか詳しく解説します。

 

夏の人工芝は本当にやけどする?

夏場の直射日光下では、人工芝の表面温度は60〜80℃前後に達することがあります。特に黒い下地材やゴムチップ入りの製品は熱を吸収しやすく、気温以上に表面が高温になる傾向があります。

 

この温度帯になると、

  • 素足で長時間立つ

  • 小さな子どもが座り込む

  • ペットが寝そべる

といった行為で低温やけどのリスクが出てきます。

 

人工芝が高温になる主な原因3つ

1. 直射日光

日陰がない場所では、人工芝が太陽光を直接受け続けるため急激に温度が上昇します。特に南向きの庭や屋上は要注意です。

2. 下地材の影響

砕石の上に黒い防草シートを敷いた施工は一般的ですが、この黒色部分が熱を吸収し、芝面の温度をさらに上げることがあります。

3. 風通しの悪さ

囲いのある庭やベランダでは熱がこもりやすく、放熱しにくいため表面温度が高止まりしやすい傾向があります。

 

やけどリスクが高いケース

以下の条件が重なると、リスクが高まります。

  • 真夏の正午〜15時頃

  • 無風で直射日光が強い日

  • 濃色の人工芝

  • ゴムチップ入りタイプ

  • コンクリート下地の上に施工

特に小さなお子様やペットは皮膚が薄く、体温調節機能も未熟なため、大人より影響を受けやすい点に注意が必要です。

 

夏の人工芝やけど対策7つ

ここからは、施工会社として実際におすすめしている対策を7つ紹介します。

①遮熱タイプの人工芝を選ぶ

近年は、従来品よりも熱のこもりを抑える「遮熱タイプ」の人工芝が増えています。

 

これは芝葉の素材や顔料に工夫を施し、紫外線や赤外線を反射しやすくすることで、表面温度の上昇を抑える設計がなされています。特にポリエチレン素材の改良型や、光反射性能を高めた淡色系の芝糸は、直射日光下でも温度上昇が緩やかになる傾向があります。

 

ただし、「遮熱=全く熱くならない」という意味ではありません。真夏の直射日光下では、遮熱タイプであっても相応に温度は上がります。そのため重要なのは、通常品よりも“どれだけ上昇を抑えられるか”という視点で比較することです。メーカーごとに遮熱性能は異なり、データの提示方法も違うため、施工実績のある業者に確認することが安心につながります。

 

また、芝の色味も温度に影響します。濃い緑よりもやや明るめの色味の方が熱吸収は抑えられる傾向があります。見た目だけで選ばず、用途や設置環境に合わせて選定することが重要です。製品選びの段階で対策を組み込むことが、最も効率的かつ長期的な温度対策になります。

 

②下地に遮熱・透水構造を採用する

人工芝の温度対策で見落とされがちなのが「下地構造」です。実は、芝そのものよりも下地の設計が温度上昇に大きく関係します。特にコンクリート直貼りや黒色防草シートのみの簡易施工は、熱がこもりやすくなります。

 

理想的なのは、透水性の高い砕石層を十分な厚みで施工し、通気層を確保することです。砕石は地中に熱を逃がす役割を持ち、空気層があることで放熱性が高まります。また、防草シートも遮熱タイプや通気性のある素材を選ぶことで、熱の蓄積を抑えられます。

 

さらに、地盤転圧を適切に行うことも重要です。転圧不足は水たまりの原因になるだけでなく、湿気がこもることで熱が滞留しやすくなります。安価な施工では砕石の厚みを削減するケースもありますが、基礎工事を適切に行うことが温度・耐久性の両面で大きな差になります。

 

見えない部分こそが品質を左右します。夏場の快適性を重視するなら、下地設計は妥協すべきではありません。

 

③日よけを設置する

最も即効性が高く、効果が明確なのが「直射日光を遮る」ことです。人工芝は太陽光を受け続けることで温度が上昇するため、日陰を作るだけで表面温度は大きく下がります。

 

具体的には、タープやシェード、オーニング、パーゴラなどの設置が有効です。特に南向きの庭やベランダでは、夏場の日差し角度を計算して設置すると、効率的に直射光をカットできます。最近ではUVカット率の高いシェードも多く、見た目を損なわずに対策できる商品も増えています。

 

子どもの遊び場やプール設置スペースなど、長時間滞在するエリアには特に効果的です。可動式にして季節ごとに調整できる設計にすれば、冬場の日照も確保できます。物理的に日差しを遮る対策は、もっとも確実で再現性の高い方法です。

 

④使用前に散水する

人工芝は水を保持しないため、散水すると一時的に表面温度が下がります。水が蒸発する際に気化熱を奪うため、体感温度も下がります。特に遊ぶ直前やペットを出す前に軽く散水することで、安心感が高まります。

 

ただし、効果は持続しません。炎天下では短時間で再び温度が上昇します。そのため、応急処置としての対策と考えるのが現実的です。ホースで全面を濡らすのではなく、よく使う部分だけを冷却するなど効率的な方法がおすすめです。

 

また、ベランダ施工では排水設計が不十分だと水たまりになることがあります。散水前に排水状態を確認することも重要です。

 

⑤裸足での長時間利用を避ける

真夏日の人工芝は、短時間でも高温になります。素足での長時間滞在は避けることが基本です。サンダルや屋外用シューズを着用するだけでもリスクは大きく下がります。子どもには靴下を履かせるだけでも安全性は向上します。

 

特にベランダ施工は、下地がコンクリートの場合が多く、地面からの照り返しも加わるため高温になりやすい環境です。大人よりも体温調整機能が未熟な子どもや、小型犬などのペットは影響を受けやすいため注意が必要です。

 

「人工芝=裸足で気持ちいい」というイメージがありますが、季節に応じた使い方の工夫が重要です。

 

⑥ゴムチップ入りタイプを避ける

クッション性を高めるためにゴムチップが充填されたタイプは、熱を蓄えやすい傾向があります。特に黒色ゴムは熱吸収率が高く、表面温度上昇の一因になります。

 

家庭用であれば、ゴムチップなしタイプを選び、下地側でクッション性を確保する方が温度対策としては有利です。例えば衝撃吸収マットを下地に施工する方法などがあります。

 

競技用とは用途が異なるため、家庭用途では安全性と温度管理を優先した仕様選びが重要です。

 

⑦利用時間帯を工夫する

最も現実的でコストのかからない対策が、利用時間を工夫することです。真夏の正午前後は最も温度が高くなります。朝や夕方、日陰ができる時間帯を活用するだけでリスクは大幅に下がります。

 

気温だけでなく、実際に手で触れて確認することも大切です。体感温度が高いと感じる場合は無理に使用しない判断も必要です。どうしても日中利用が前提なら、天然芝の方が適しているケースもあります。

 

人工芝は使い方次第で快適性が大きく変わります。時間帯を意識することは、もっとも簡単で効果的な安全対策です。

 

天然芝と比較したときの違いは?

天然芝は水分を含み、蒸散作用によって周囲の温度を下げる働きがあります。そのため、同条件では人工芝より表面温度が低くなる傾向があります。

 

ただし、

  • 水やりの手間

  • 芝刈り

  • 雑草対策

など管理負担は大きくなります。

 

「涼しさを最優先」なら天然芝、「管理の楽さと通年美観」なら人工芝、と目的によって選択が変わります。

 

参考:人工芝と天然芝の違い12個比較!どっちがいい?

まとめ

夏場の人工芝は、条件によっては高温になりやけどのリスクがあるのは事実です。しかし、遮熱タイプの選定や適切な下地施工、日よけの設置、利用時間の工夫などを行えば、安全性は大きく高められます。
 
重要なのは「人工芝は危険かどうか」ではなく、どのように選び、どう施工し、どう使うかです。設置環境やご家庭の使い方に合わせて対策を講じることで、夏でも快適な空間を実現できます。
 
不安がある場合は、施工実績のある専門業者に相談し、環境に適した仕様を選ぶことが後悔しないポイントです。