眼はまったく自己本来の性質に従って全体性を求め、自分自身の内部で色相環を完結する

 

― Goethe

 

 

ゲーテは自然科学者としての一面もあります。

わたしは、電磁波と光の研究をしていたのでゲーテとの最初の出会いは『若きウェルテルの悩み』でも『ファウスト』でもなく、『色彩論』でした。彼は、色彩を「屈折率」という数量的な性質で理解しようとするニュートンの理論に不満を抱き、大著『色彩論』を発表したのです。このように、光の波長毎に帯状で示されるスペクトルとして捉えるニュートンの理論が広く認識されているので、赤の隣に青を置く色彩環はなかなか受け入れ難い、でも、ゲーテの「数量で表されるものが全てという思想が危険」という主張がわたしはとても好きです。ここに興味を持ったわたしは、彼の文学作品も追いかけるようになりました。すると、どんどん彼の高貴な思想に触れることができてゲーテを大好きになっていきました。今も、書棚にはゲーテの本が・ ・ ・。『ゲーテとの対話』(ゲーテ著ではないけれど、彼を慕うエッカーマンがゲーテとのやりとりを詳細に纏めた本)そして最近ふと思い出したのが、ファウストで登場する魔女のこと。「魔女の九九」という呪文を唱えます。

 

汝、会得すべし。

一より十を作れ、

二を去らしめよ、

直ちに三を作れ、

然らば汝富まん。

四をうしなえ、

五と六とより、

かく魔女は説く、

七と八とを作れ、

ここに於て成就せん。

即ち九は一にして、

十は零に外ならず。

これを魔女の九九となす。

 

 

 

 

 

これぞこの仏の道に遊びつつつきや尽きせぬ御法なるらむ  貞心尼(自作の手鞠にそえて)

つきてみよひふみよいむなやこゝのとをとをとをさめてまたはじまるを  良寛(かへし) 

 

 

 

 

 

ありがとうございました。