こんにちは。
アルテです。
桜の季節ですね。
アルテのお店がある名古屋でももうすぐ桜が満開となりそうです。
見上げると一面に咲き誇る桜、淡く優しい色合い、風に揺られて散っていく桜も本当にきれいですよね。
間違いなく日本で一番愛されている花でしょう。
そんな桜は古くから多くの和歌で詠われてきました。
そんな中から私の好きな桜の歌、三首を選んでみたいと思います。
空蝉の
世にも似たるか
花桜
咲くと見し間に
かつ散りにけり
よみ人しらず
『古今和歌集』
(はかない世の中に似ているのだなあ 桜は 咲いたと思って見ていたらあっという間に散ってしまったよ)
桜に人生の無常を重ねている歌ですね。
昔の人は咲くことと散ることを一体として捉えていたのでしょう。
花は散り
その色となく
ながむれば
むなしき空に春雨ぞふる
式子内親王
『新古今和歌集』
(桜は散ってしまった なんとなく物思いにふけって外を眺めたら 何もない空に春雨がふっていることよ)
むなしき空に春雨ぞふる、という表現が桜が散った後の寂しさをさらに掻き立てます。
情景が目に浮かぶようです。
清水へ
祇園をよぎる
桜月夜
こよひ逢う人
みなうつくしき
与謝野晶子
『みだれ髪』
(清水に行こうと祇園を通り過ぎると 桜が朧月夜にほんのりと照らされている 今夜会う人はみんな美しくみえる)
桜がやわらかい朧月夜に照らされている風景描写が美しいです。
祇園辺りのしっとりとした街並みも思い浮かびます。
他にも好きな歌がたくさんあるので迷いましたが、個人的に好きな桜の歌を三首に絞って紹介しました。
最後に恥ずかしながら自作の歌を披露いたします。
散る桜
どこへゆくのか
ひらひらと
また逢えるかな
いつかどこかで
桜の季節は出会いの季節であるとともに別れの季節でもあります。
散ってゆく桜のように、人々も新しいステージに向かってそれぞれの道へ散ってゆきます。
離れ離れになった人といつかどこかでまた逢えるかな、という想いをこめました。
さてアルテ名古屋東急ホテル店では桜のボールペンなどを揃えて皆様のご来店をお待ちしております。