数年前、エスニックブームだった頃、東南アジアの布が流行りました。
インドネシアの『バティック』『イカット』は、その代表例でしょうか。
『ブーム』が、少し苦手な私は、当時あまり興味は無かったのですが
この仕事を始めてから、布の魅力に、はまってしまいました。
『布』と一言で言っても、色々ですよね。
私は、元々日本の着物が好きです。
西陣織の大作には圧巻ですし、
昔々の打ち掛けや、素晴らしい帯の数々、本当に奥深い世界が広がっています。
日本の着物の柄は、季節が分かったり、
年齢によって、身につける柄が違ったり
なかなか難しいお話もありますが、そこが日本らしくて素敵だなぁと思います。
季節や場面にあった着物を理解して、さらりと着こなせる女性になりたいものです。
東南アジアの布も、日本同様に
その図柄や、工程に意味があり、大変興味深いものが多いんですよ。
例えば、イカットでも、『グリンシン』というものがあります。
これは、魔除けや無病息災を願い、結婚式や成人式といった
特別な日に身につけます。
バリ島ですと、トゥンガナンという村でしか織られていない
とても希少な布の一つです。
イカットは普通、経(たていと)か緯(よこいと)のどちらかを染めて織るのですが
『グリンシン』は経緯両方を染めて織り上げます。
両糸をどのように合わせるかによって、柄や色が決まるそうで
大変手の込んだ織物の一つです。
数色の色を組み合わせながら、複雑な作業をしていきます。
更に、この布は、吉日にしか染めない・織らないというい掟があり
出来上がるまでに10年以上かかるものもあるそうです。
模様も精巧なものがあり、大変貴重な布です。
それだけ、手間隙をかけながら、作り上げていくという工程に
愛情も感じますよね。
東南アジアの布は、日本の布と相性が良いので
着物に合わせても、個性的で素敵になる事が多いんですよ。
布一枚でも、用途は広い。
だから、良い布を少しずつ揃えておくと、財産になるような気がしています。
私も、良いグリンシンとの出逢いがあったら
一枚、手に入れたいとは思っていますが
やはり現地に行かないと難しいですね(^^)