沛然と降りつづく雨、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

人生は旅漂

 

沛然と降りつづく

 

ウズベキスタンは砂漠とオアシスの町、シルクロードに雨が降ることは滅多にない。その砂漠の町タシケントでレストランに入った時、若い女の店員に

「シルクロードに雨男、雨女ってあるかい?」と聞いたことがある。彼女は

「知ってる、私 雨女」と笑っていた。私は雨男。帰る日タシケントは雨だった。

 

知らない町に降る雨は止むこともなく降りつづく。あの幻の「廃墟の花壇」は?と見に行くと、誰もいない公園の片隅で激しい雨に叩かれていた。この近年、温暖化のせいで気候もおかしくなってきた。このゲリラ雨もその一つ、関東では雹(ひょう)まで降ったと言う。なお沛然と降る雨の中、この景色を眺めていた。

 

2022年6月20日、月