暗闇に消えた恵子ちゃん、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

東京大空襲を忘れない 2

 

暗闇に消えた恵子ちゃん、

 

背中と手に大きな荷物

小学六年生の恵子ちゃん

弟の手を引いて 暗闇に消えた

敗戦の日が過ぎても 還らない

 

父は海軍の軍人だったが戦死。母は教員。母子家庭の恵子ちゃん。その夜、お母さんは学校に当直で留守だった。玄関にいつも荷物が置かれていて、

「空襲警報が鳴ったら、この荷物をもって親せきの家に逃げるように」と母に言われていた。その夜。空襲警報の鳴り響く中。弟の手を引いて暗闇の中へ逃げていった恵子ちゃん。

 

絵と詩 6冷たい防空壕の中。 7死の行進 8泣き叫ぶ少女の声が聞こえてくる。

 

3月7日、月、