現代の世相、アバンギャルド、 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

 

現代の世相、1,

 

アバンギャルド

 

世界で最初に抽象画を描いたのはロシア・サンクトペテルブルグの画家たちである。

特にマレービッチの抽象画は誰も絵とは認めなかった。これをアバンギャルドと呼んだ。

その後、パリ、モンパルナスの画家たちも描きだした。フランスでも抽象画は認められなかった。ロシアとパリとは何のつながりもない。これを歴史の同時性と言う。

 

アバンギャルドの背景には、帝政ロシアの圧政とロシア革命の世界史の変遷があった。

真の芸術家は時代の証言者であり、糾弾者でもある。写実画では、ゴヤの「銃殺者」。ピカソの「ゲルニカ」などはその代表作。

さらに、画家たちは表現を追求していった。世紀末のカオス(混濁)には時代を拓く作品が求められていた。カオスと不安をどのように表現するのか、常識的な写実画では表現できない。19世紀末社会のカオスと向き合って描いたのが抽象画であった。

何事も最初に始めた者は、社会的に反感をかうだけ、誰も理解できない。そう、最初に行動するものは社会の批判に耐える勇気がいる。抽象画、この表現をアバンギャルド(前衛)と呼んだ。

 

コロナ禍に泣く大衆、

 

コロナ禍に苦しめられてから、もう二年になる。どれだけ多くの中小零細企業が倒産していったことか、それに伴って従業員は失業していった。さらに中堅企業、大企業の非正規社員は捨てるように解雇されていった。

政治家と言うものはこうした苦難を打開して国民を救うことが義務である。それなのに、政府は国会も開かず。そして行き詰まると、おれ やーめた。と責任を投げ出す。

現代社会はコロナ禍と倒産と貧困のカオスの真っただ中にある。なのに、与党は総選挙に没頭し、どう生き残るか、自分たちの保身に汲々とし、

コロナ禍の失策を首相個人のせいにしているが、これは与党全体の責任である。

 

コロナ禍に泣く大衆の苦しみ、混濁として未来の見えない現代の世相を、感情にそって、そのまま鉛筆一本で描いて見た。この絵は抽象画ではない。が、アバンギャルドの範疇に入る。

 

~~~~ みんな幸せになろうよ ~~~~

Nobuaki , Muraoka pencil on paper,

9月13日 月