firenze  大聖堂の見える街角 | 美術家 村岡信明 

美術家 村岡信明 

漂漂として 漠として  遠い異国で過ごす 孤独な時の流れ
これを 私は旅漂と呼んでいる

Firenze itaria


大聖堂の見える街角祈りの道

canvas oil 
40
.9×31.8


サンタ・マリア・テル。フィオーレ、(花の聖母教会)と呼ばれているフィレンツェ大聖堂の裏側はひっそりとしている。大聖堂を背にして真っ直にのびる道がある。道の両側には幾つかの教会のある静かな道なので、私は自分だけで“祈りの道”と呼んでいる。

この道の先には、捨て子修道院がある。最初に訊ねたのは約30年前だった。若いシスターが、なぜそう呼ばれているのか詳しく説明してくれた。

その後二度、訪ねて行ったが、何時も微笑みを絶やさない母親のような優しさを持ったシスターだった。


フィレンツェにどれだけの教会があるのだろうか、時を告げる鐘が鳴るとき、町中が鐘の音に包まれていく。捨て子修道院を出て、祈りの道から見える大聖堂を眺めていると、急に鐘が鳴り響いた。

あのシスター、いまどうしているだろうか、






美術家 村岡信明 のブログ