就職、そしてフリーに
大学卒業、就職、会社員経験を経て、フリーで活動を開始




エ:武蔵野美術大学、デザイン科を卒業された後、イラストのお仕事を始められたのですか?

中野:卒業してから、学研に入ったんですよ。
出版業界で、編集の仕事に携わったんだけれど3年位でやめちゃったんです。
やめて、その後、山村工芸社っていう、丁度、大阪万博とか海洋博覧会なんかの、ディスプレーの世界に入ったんです。

エ:ディスプレーですか?

中野:その頃は、ディスプレーデザインという言葉もなかったので、先輩達と、試行錯誤をしながら、たとえば、看板の文字の大きさや、絵の大きさはどれくらいが良いかとか、そういうことを考えて、形にする仕事をしたんです。
それで、今でも、内装、壁面のデザインとかの仕事も続いているわけです。
だから、今手掛けている作品は、立体的なものも多いし、そういうテーストの作品もあるんですね。
以前に、いろいろなところで、何年か前に、私営の博物館を建てるブームがあって、その時の展示物とかを扱って。

見せ方として、レプリカを作ったり、描いたりするんですけれど。
考古学の先生方の監修に基づいて、忠実に再現するんですね。
挿絵は頭の中で描けるけれど、こういう仕事はそういうわけには行かないので。
絵、ジオラマとか色々なものを作りました。

そういう資料を勉強したり、仕事を進める過程で、サムライだとか、江戸時代とか、いわゆる時代物の作品を自然に描けるようになったんです。
昔、付録で、戦車とか飛行機とか作ったりして遊んでいたものも、今の仕事に影響を与えていますね。