条件法 le conditionnelと言うと、フランス人が想像するのはSiで始まる構文であることが多いみたいです。 また、条件法現在、過去だけを指すのではなくて、他にもSiを使った仮定の言い方がありますから、ひっくるめてイメージするようです。

また、最初に学校で条件法について学ぶのはSiで始まる文章なんだそうです。

ということで、やっとSiを使った条件法について ニコ

⑧事実に反すること、仮定、推測など・・・ 
 
Un désir non réalisable maintenant, un souhait our un regret
今の時点であり得ない現実、できない願望、希望を表現するとき


ksks 現時点で・・・

【Si+半過去、条件法現在】
Si j'étais toi, j'accepterais ce travail.
もし、わたしがあなたなら、その仕事を受けるだろうに。受けるのに。
 
現実には起こっていない、もり仮にそうだったらという想定で話してる。なので、例えば、自分の友人が仕事の依頼を受けてどうしようかなと迷っているときに、「わたしだったら、その仕事を引き受けるだろう」と相手にはなりえないけれど、想定したことを述べるときに使える。

ksks 過去に起こったことに対して・・・

un regret, un reproche, une excuese, une justification....(条件法過去で)
後悔、責める気持ち、正当化するための言いわけ、理由を表すとき

「~するべきだった・・・~すれば良かった・・・」と後悔しているときや、「もっと早く、あるいは事前に知らせてくれればよかったのに、そのことを知っていたら、~したのに、~できたのに」という状況で実際はそれができなかったことに対してちょっと非難めいて相手を責めていたり、自分を正当化したいときなど・・・

Si(もし)を使って表したり、le gérondif (ジェロンディフ)などを使ったり、あるいは最初に条件法の文を頭に持ってきて、mais ~ でも、できなかったよと繋げていく表現の仕方もあります。他にもいくつかのパターンがありましたが、また追々追記していけたらと思っています。 

下記のsiを使った条件法は英語の仮定法ととても似ています。

【Si+大過去条件法過去
Si j'avais été à ta place, j'aurais accepté ce travail.
もし、わたしがあなたの立場だったら、その仕事を受けていただろう。

こちらは前述の例文と違って条件法過去なので、話相手はすでに仕事の依頼を受けていたけど、それは過去のことで、恐らく断っていて、「わたしだったら、受けていたのに・・・」と言いたいときに、こういう形になるってことですね。だから、Siの後が plus-que-parfait(大過去)の活用になる。


下記の例も上と同じような意味合いになります。 最初の文章は今の時点から見て、時間がないから観に行けない。でも、時間があったら、観に行くのにな~、その後の文章は、すでに過去のことで、前のことを振り返って言ってるということになります。 

これが日本語ですと、前の節が時制に左右されることはなくて、 「時間があるなら、観に行ったのに」という言い方をしたりするので、日本語の感覚で理解しようとしたり、文章を作ろうとすると多分混乱が起きる可能性があります。 なので、日本語の文章の意味にひっぱられないように・・・このニュアンスをしっかり日本語で出すのは時として難しいかもしれません。 だから、イコールではないということを心に留めておきながら、日本語をそのままフランス語に訳さないように気をつける必要があります。 英語の仮定法と同じという理解ができればわかりやすいかもしれません。 

Si j'avais le temps, j'irais avec toi au cinema.
(mais je ne peux pas y aller parce que je n'ai pas le temps)

もし、時間があるなら、あなたと映画を観に行くのに。
(実際は、今、時間がないので、映画を相手と観に行けない)

Si j'avais eu le temps, je serais allé au cinema.
(malheureusement je n'ai pas eu le temps)

もし、時間があったなら、映画を観に行ったのに。
(残念ながら、映画を観に行く時間はなかった)

そして、siで始まる文は大抵、事実とは反することで、あくまでも現実にはできない仮想であり、実際にはできないことを表現しています。

ksks すっきりしない疑問・・・はてな5!

しかし、フランスの外国人向けの文法書を見ていたら(Cle Internationalの本)、こんな例が書かれていました。そのまま載せると著作権にひっかかるかもしれないので、少し文章を作り変えています。 
 ↓

Si j'avais un peu de temps demain, j'irais au cinema.
(If I had a little time tomorrow, I would/could go to watch a movie)
もし、明日少しの時間があったら、映画を観に行けるかも。

これはフランス語で書かれた文法書に書いてあったもので、説明として
C’est une hypothèse possible ... j'aurai peut-être du temps.と書かれていました。つまり、可能性のある仮定で、時間を持てるかもしれない。 

ポイントはきっとdemain(明日)という言葉が入ってることだと思いました。 明日ですから、未来のことを想定して言ってるわけで、ひょっとしたら行けるかも、明日時間があれば行ってみようかなという気持ちが入ってくることになるので、この使い方に関しては可能性が出てくるってことになると解釈しました。 

しかし、このことを何人かのフランス人に確認したところ、明日という言葉が入っていても、通常 siで 始まる場合は、ほんとはできないということを仮定で言ってるんだよと言われました。 ええ~じゃ、どうしてj'aurai peut-être du temps.と書かれてあるのだろう?と疑問が残ったのですが、そのように言われれば、「大抵できない、実際は明日は時間がない」と解釈すると言われました。これが現在わたしがどうもすっきりしてない部分なのですが、どの人に聞いても、実際にはできないことを述べているという解釈ということだったので、文法書ではそうかもしれないけれど、実際の会話では違うのかな?と思ったりしました。一応ある一人が、職場の人たち全員に聞いてくれたんです。でも、みんなの答えは同じだったということでした。 日本語でも本当は間違いだけれど、会話ではそれが主流になってる言い回しがあったりしますよね。 それと同じなのでしょうか? 

ksks いくつかの例・・・

さて、次のケース。

Si j'avais su que tu étais là, je serais venu plus tôt.
(If I knew that you were there, I would have come earlier.

あなたがそこにいた(ou いる)って知っていたら、もっと早く行けたのに・・・・ 

実際は遅すぎて、知らなかったから行けなかったよってことです。 
過去に起こったことを後悔してるし、相手をちょっと責めてます。
 
ジェロンディフ(en +現在分詞)をこんな風に使うこともあります。


En travaillant plus, tu aurais mieux réussi.
(=Si tu avais travaillé plus 大過去)
もっと仕事をしていたら、あなたは更に成功していただろうに・・・
(過去にもっと仕事をしていたら、今頃成功していたのに、実際はできていないということ)

ジェロンディフを使った条件法の練習問題
*ここのサイトには他にも条件法の練習問題が沢山あって便利です。


他にこのような例文も見受けました。↓

これはちょっと上のような用法とは若干カテゴリが違ってるくるのかもしれませんが・・・相手と話していて、今はちょっと無理かも~、できないかも~とやんわりと断りを入れるときに使えそうです。会話の中で使うことが多いかもしれません。

Je mangerais mais je n'ai pas faim. 
そのまま日本語に訳すとちょっと変なので、表現するとしたら、「お腹が空いていたら、食べただろうけど」 あるいは 「食べたいけど、(今)お腹がすいていないの」って感じでしょうか。
実際はお腹が空いていなから、食べられないという状況のとき。

Je viendrais mais je suis occupé(e).
行けたらいいのだけど、忙しい。 (
忙しいので今は行けない)

これらの言い方は相手に時間がないから、行けないと直接的に表現するよりも、恐らく言葉の言い方を和らげて、前の記事のように丁寧に相手に伝えたり、要求を和らげる言い方と同じ感じかな~と理解しました。


ksks J'irais jusqu'au bout・・・

以前「④願望、希望、夢など」の記事の中で
資格試験とフランス語を勉強しているYさんは、短期間で資格試験と仏検を両方受験するなんて出来るかな~、「でも、最後までがんばれるといいな~」という部分を ”J'irais jusqu'au bout”と表現されました。 わたしは違う意味で(最後までやりとげてみよう~)捉えたので、動詞の活用は  は必要ないのではないかと勘違いしてしまったのですが、「条件法で願望」を表したかったということでした。

しかし、以前書いたように、条件法で願望を表すときというのは aimer, voulvoir、pouvoirなどの動詞を使って表すことができ・・・今回のこの文章ですと、ニュアンスが違ってくるので、まず、この文章だけを単独で使おうとすると無理があること。Si で始まる文章が前にあったほうがいいということを書かせてもらいました。  

その場合、どんなふうに表せるか?
ネイティブのSさんに考えてもらった文章です。

Si je n'ai pas le choix, j'irais jusqu'au bout.
その選択をしなくてすむなら、最後までがんばれるのに。 (最後までやり遂げられるのに)
(実際は選択せざるをえなくて、最後までがんばれるか自信がない。最後まで進めないかもということ)

ちなみに、sがない形 (単純未来)である J'irai jusqu'au bout.だったら本来のYさんの意図するニュアンスとは若干違ってきますが、 勉強する準備ができていて、最後まで頑張ってみよう~という意思があるのなら、この文章を使うことは可能で、「最後までがんばろう~(と思います」)という意味になり、意味として通じるということでした。

Irai は aller の単純未来で、
aller jusqu'au bout ....最後までやり遂げる、やり進めるって感じの意味

星J'irai jusqu'au bout という歌もありました。(クリックすると動画に飛べます)・・・

すっかり長くなってしまいましたが、とりあえず条件法のまとめはここで一旦一区切りとし、また何か気になる事項が出てきたら、別途記事でシェアしていけたらと思っています。また、読んでいて「それはちょっと違うよ」というのがありましたら、遠慮なくご指摘くださると幸いです。

文法はまだ全て学習し終えておらず、学習しはじめて1年数カ月。

まだまだ理解が浅いので、間違って書いてしまうこともあるかもしれません。間違いに気づいたときは追記してお知らせしていきます。

いろいろな例文をあたって、もっとこの条件法のニュアンスを理解できたらと思っています。ざっと本や練習問題を読んだだけなので、理解を更に深めてから、自分でも例文をつくってみて練習してみたり、ニュース、本、会話の中でどのように使用されているか、今後は更に意識していこうと思います。

最後まで読んでくださったみなさま、ありがとうございます。

お互いフランス語の勉強、楽しんでいきましょう♪

条件法の用法
はじめに・・・①希望や要求を婉曲的、丁寧に伝える part 1 part2  ②過去における未来、時制の一致 ③アドバイスや提案 ④願望、希望、夢など ⑤可能性 ⑥不確かな情報(新聞などメディアによるニュース)、自分自身の考えではなくて、他からの情報源 ⑦架空の話 ⑧事実に反する仮定(実際はありえないこと、無理なことなど)及び推測など