寒川裕人による日本拠点の

アーティストスタジオ

「EUGENE STUDIO」の

初個展へ行ってきました。


「海庭」
美術館内の広間に
海をつくりあげようとした作品
館外の気候や光を受けて
自在に変化するこの海は、
擬似的であると同時に、
見るものの想像力によって
どこまでも広がる海でもある。






「あるスポーツ史家の部屋と夢 #連弾」

ドラムを囲うように展示された

金色に輝く平面作品群は

「私にはすべては光り輝いて映る」

と銘打たれている。





「この世界のすべて」

1面体から120面体の

サイコロから成る作品で、

このサイコロは日々振られるという。

出た目の数や配置は偶発的であり、

二度と同じ状態に置かれない本作は、

人々の日常も偶然の重なりで

構築されていることを思い起こさせる。






2017年制作の「善悪の荒野」

スタンリー・キューブリック監督の映画

『2001年 宇宙の旅』のラストシーンに

登場する白色の部屋を原寸大で

再現したうえで破壊、

焼失させさらにそれを風化させた

彫刻作品です。

ガラス張りで囲まれた空間が

現実との境界線をつくり、

こちら側からあちらの世界を

客観的に観ている感じ。

こちらがとてつもなく美しいのです。

近くに寄ると、壊れているし灰だらけなのに、

どうしてこんなにも美しくみえるのか。。。


かつてそこにいたかもしれない人を想像し

少しゾクっとする

その瞬間の感覚に似てるような。

終わりと同時に新しい始まりを感じます。




「ゴールドレイン」

暗がりのなか、

金箔と銀箔の粒子が上から降り注ぐ。

鑑賞者に重力や時間についての

思考をうながす作品。

連綿と可変し続けるその運動は、

より壮大な時間を見るものに想起させる。


いつまでもいつまでも見ていられる

美しい作品でした。

ゆっくりと時が流れ、

癒されるような時間でした。





そして、ついに。4時間待った展示

「想像 #1 man」を体験しに。

この展覧会の中で、強烈な展示とも言える、

自分の中の想像力の限界に挑む?笑


重い扉の中にたった一人だけで入れられ、

その先のカーテンのさらに先に

全く何も見えない暗闇の空間があり、その中を

一人きりで感覚のみだけで歩いて行き、

行き着いた場所には像が1体。


真っ暗なので、どこがどうなっているかなど

全く見えません。


この作品、作者本人も暗闇の中で

3ヶ月にわたってつくり、

この世で誰も見たことのない作品。


その像を手で触って自分だけの像を想像する。

という素晴らしい体験でした。


本当に全く何も見えないので、

出口が分からなくなったらどうしようとか、

ユーリが長い時間入ってから出てこなくて、

かなり心配したのですが、後で話を聞くと、

この体験が相当楽しかったようです。


こちらはどんなことがあっても

助けに入れないので、

一人で自力で出てきてくださいと言われて、

暗闇苦手な私がめちゃくちゃビビりましたw 

が、4時間待ち、頑張って入った甲斐がありました!


ちなみに息子と後で像がどんなだったのか、

話したら、絵を描き合いながらと楽しみました。

こーゆう時間も、幸せでした。